望診講座55 「経絡を感知する全盲の経絡治療家」

目安時間8分

患者の体が輝いて見える全盲の鍼灸師

鍼灸学校を卒業したあとの話ですが、とある経絡治療団体宮城県の支部長をされていた先生の施術を見学する機会がありました。

 

赤門鍼灸は仙台市にありましたので、じつは学生の頃からその先生の存在を知ってはいたのですが、機会がなかったのです。

 

その先生は全盲の方です。

 

ところが、施術がうまくいくと患者の体が輝いて見えるというのです。

 

もちろん視力でみているわけではありません。

 

おそらくその先生も視力ではない、五感以外のなにか、を使って感じ取っていたのでしょう。

 

全身が輝いて見えるというのは比喩でしょうけれども、そう感じたのは事実ですから。

 

私の中では先の整体の先生、今度の全盲の鍼灸の先生の実体験を通じて、視力ではない、五感以外のなにかで患者の体の違和感(それが気かどうかはまだわかりませんが)を感じ取る技術は確かにあるのだ、と思いました。

 

気や経絡が存在するかどうかはまだ証明できませんが、

 

それらに準ずる「何か」があり、それを消すことで症状が改善する、そしてそれに再現性があるのであれば、学術論法によってなんらかのシステム(経絡システム)が存在することが仮定される。

 

私はまったくの手探り状態のなかで、たった一つの手がかりを見つけたような気になり、ひとり喜んでいました。

 

そのすぐ後に気や経絡をダイレクトに感知できるという医師の存在を知ったのです。

 

その医師は鹿児島で個人医院を開業されているという外科医でした(有川貞清先生のことです)。

 

私は、早速見学を申し込みました。

 

 

気滞が見えるという医師は東洋医学を全否定された

その先生の話を聞き、さっそく連絡をとって見学させていただきました。初の鹿児島、季節は真夏!日差しが肌に突き刺さるようでした。

 

先生の診察方法はとんでもなく変わっています。

 

まず患者を立位で望診(立位がとれない方はベッドで)します。

 

そして気滞を感知し、その気滞を消去する治療法を選択するんです。

 

ときに鍼灸、ときに漢方、西洋薬剤を使うこともあり、まさに自由自在。

 

最初、かなり奇異に見えた診察方法でしたが、これが本当の望診の世界なんじゃないかと直感的に思いました。

 

どんな風に見えるのか?

 

それは五感以外の原初感覚を用いて感知する世界なので、図に示すことは難しいのですが、あえて図に表すとこんな感じです。

 

 

私には驚きの世界です。

 

医師や鍼灸師を中心とした勉強会があるということで、さっそく参加させていただきました。

 

そこで学んだことは、

 

人体はなんらかの傷病を患うと、それを治癒するための情報として気滞を発生させる
経穴はその気滞を消す情報として、活性化する。したがって平常時は経穴は不活性のものであって働いていない
気滞を消去する方法は経穴のみによらず、漢方や整体でも可能である

 

などなど、たくさんありすぎて私はパニック状態でしたが、とにかく私は望診法の入り口に立つことができたのだと思いました。

 

そして、それは気の世界を探求するための必須の技術となります。

 

それはなににも勝る喜びでした。

 

3人の経絡否定派

ところで、ここでもう一人の鍼灸の先生をご紹介させてください。

 

その先生は経絡を完全否定される先生で、星状神経節刺鍼法の研究で有名な先生です。

 

経絡の存在を否定する立場におられましたが、では経絡のことを勉強しなかったのかというと、そうではないのです。

 

東洋医学、経絡治療を学びそれを実践してみた結果、経絡学説は科学的に信頼できない、と結論づけられたのです。

 

そして、鍼灸の治効理論を別な方向から探ろうとされていました。

 

じつは、そういった姿勢は先の患者が輝いて見える全盲の鍼灸師、鹿児島の外科医のお二人と共通しているのです。

 

この3人の先生はそれぞれ独特なアプローチ法をとられていますが、経絡の勉強を徹底してやった結果、既存の経絡説を信用できないと否定し、独自の研究をされているというという点では同じなのです。

 

鹿児島の医師の書庫を見せていただいたことがあります。

 

そこには信じられないくらいの量の東洋医学関連の文献が山積みにされていました。

 

ここまで勉強し、実践し、その結果経絡を盲目的に信じるという行為に疑問をもち、独自研究をおこなった勇敢な研究者です。

 

一人は純粋に既存科学からアプローチし、

 

一人は自己の感覚を磨き、

 

一人は新たな気と経絡の仮説を打ち立てました。

 

私はいま、その恩恵にあずかっています。

 

古流の望診法に存在した、失われた技術

気の感知技術としての望診法には現代式の視診に近いものと、視覚をほとんど使わず、遠くを眺めるようにして、ある身体感覚で気の流れを把握する古伝の望診法があります。

 

当然、この望診法を修得するための独自の練習、訓練をしなければなりませんが、その望診法を使って人体をサーチすると気や経絡の流れを感知できます。

 

ただ、表現としては「見える」に近いのです。

 

実際には遠くを眺めるように見る、視覚は使わないけれども「見る」という感覚に近い、だから視診とは言わず、望診と言ったのでしょう。

 

そしてこの望診法の特徴として自分の身体感覚ではっきりと気滞や経絡を感知できること、それが間違いないかどうかは、その感知された気滞や経絡を調整することで確実な結果がでること。

 

それらすべてが実感として体感できることがこの古流の望診法の優れた特徴だと思いました。

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

当会での望診で気を診る技術は再現性を重視、既存の東洋医学の理論とは一線を画すものとなっております。

イメージを排除し、あくまで出来るか否か、気とは、経絡とはなにか、その正体を追求します。

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現代表 勝木れい子(石川県金沢市 鍼灸師)

技術主任講師 吉田宜正(石川県 柔道整復師)

講師 岡田 (大阪府 整体師)

講師 水根 (兵庫県 鍼灸師)

講師 西域 (奈良県 鍼灸師)

 

相談役 古川正明先生(福岡)、熊坂護先生 (栃木)

記事執筆・メルマガ担当 前沢

会計担当 山田

勉強会風景
古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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