望診法講座7 「経穴は人体情報ネットワークの特異点」

目安時間6分

東洋医学でいわれる経絡やツボといわれるものは、人体機能の不調回復のための特異点だという認識です。

 

でも、そのメカニズムはいまだに解明されてはいません。

 

昔、いろんな研究者が経穴を発見しようと研究(解剖)を熱心にやったらしいのですが、いまだになにも発見されていない。

 

だから解剖学的にはツボ(経穴)は存在しないとされています。

 

でも本当にないのでしょうか。

 

新しい考え方として、ツボは実質器官ではなくて、人体における情報ネットワーク(経絡)とその中継点(経穴)だという説があります。

 

私もそちらの説を仮説としてとらえている一人です。

 

では、その情報伝達は何で行われているのか。

 

間中喜雄先生という方がこの著書の中で詳しく述べています。

 

  体の中の原子信号(間中喜雄著)

体の中には原始信号系というメカニズムがあり、その連絡システムは神経や電気信号だけでは説明ができないとし、

 

光や色、音にも反応し、また時間や空間を超えているようだと説明されています。

 

これはまさに「気」の世界ではないでしょうか。

 

経絡やツボは鍼灸師だけの専売特許ではありません。

 

私は整復や整体を考える上でも避けては通れない概念だと考えています。

 

これらを考えるにあたって既存の知識やイメージは一度消去しなければならないでしょう。

 

気や経絡の世界は解明されていないだけにイメージが先行しやすく、

思い込みが正しい理解を妨げる可能性が大きいからです。

 

 

古流整体に残されている「見の技法」も経絡解明の技術のひとつだと考えています。

 

私には気そのものは見えないし、感じることもできないが、気と経絡は存在しており、

そのシステムに異常がでても体は歪みやコリといった反応を見せるのだと思っています。

 

その一つ一つの反応を見極め、それに対処していくことで、見えない「気」を整えることができるのではないかと。

 

ある日、こんな実験をしたことがあります。

 

脈診ができる鍼灸師のかたに、和伝整体の基幹の型の施術前と施術後で脈がどう変わるかを診ていただきました。

 

すると例外なく、良い脈い変化しているといいます。

 

これはすごいことではないでしょうか。

 

脈は人体の一番表層に現れる「気」の変化だとされています。

 

つまり、脈の変化から「気」や経絡の変化をうかがい知ることができるという事ですね。

 

すると、脈が良い方向に変化しているということは、和伝整体の基幹の型には気と経絡を調整する技術があるということになります。

 

下手な経絡治療より、よほど効果が高いと褒めていただきました。

 

もちろん過分なお言葉だと思っています。(でもちょっと嬉しかったです)

 

経絡の発見

ではそうやって発見されたツボ(経穴)をつないで経絡が発見されたのか?

 

これも私の個人的な意見ですが、ちょっと違うような気がします。

 

先に発見したツボを何らかの方法で刺激しますよね。

 

すると痛い箇所に響きます。

 

その響きは神経を刺激されておこる響きとは少し違います。

 

通常、鍼の響きと言われているのはこの神経刺激の響きのことです。本来の鍼の響きはまったく別ものです。

 

敏感な方は感じますが、それはよほど敏感な人だと思います。

 

本当の鍼の響きは痛い箇所にダイレクトに響きます。

受け手も感じることもありますが、大抵は施術者しか感じとれません。

 

それは鍼で神経を刺激したときにおきる響きとはまったく違って、そのツボを刺激すると、連動して痛い箇所になんらかの変化がおきます。

 

そのときに体内に、あるルートのようなものを感じるのです。

 

なにかが、流れているような、スッと通じたような、そんな感じです。

 

経絡の発見、それは経穴の発見とまったく同時に、しかし経穴とはまた別に発見されたものではないか、と考えています。

 

そしてその経穴、経絡の感知能力によって、あるものが経穴経絡とはまた別に発見されていくのです。

 

 

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

当会での望診で気を診る技術は再現性を重視、既存の東洋医学の理論とは一線を画すものとなっております。

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古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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