東洋医学でいわれる経絡やツボといわれるものは、人体機能の不調回復のための特異点だという認識です。
でも、そのメカニズムはいまだに解明されてはいません。
昔、いろんな研究者が経穴を発見しようと研究(解剖)を熱心にやったらしいのですが、いまだになにも発見されていない。
だから解剖学的にはツボ(経穴)は存在しないとされています。
でも本当にないのでしょうか。
新しい考え方として、ツボは実質器官ではなくて、人体における情報ネットワーク(経絡)とその中継点(経穴)だという説があります。
私もそちらの説を仮説としてとらえている一人です。
では、その情報伝達は何で行われているのか。
間中喜雄先生という方がこの著書の中で詳しく述べています。
体の中には原始信号系というメカニズムがあり、その連絡システムは神経や電気信号だけでは説明ができないとし、
光や色、音にも反応し、また時間や空間を超えているようだと説明されています。
これはまさに「気」の世界ではないでしょうか。
経絡やツボは鍼灸師だけの専売特許ではありません。
私は整復や整体を考える上でも避けては通れない概念だと考えています。
これらを考えるにあたって既存の知識やイメージは一度消去しなければならないでしょう。
気や経絡の世界は解明されていないだけにイメージが先行しやすく、
思い込みが正しい理解を妨げる可能性が大きいからです。
古流整体に残されている「見の技法」も経絡解明の技術のひとつだと考えています。
私には気そのものは見えないし、感じることもできないが、気と経絡は存在しており、
そのシステムに異常がでても体は歪みやコリといった反応を見せるのだと思っています。
その一つ一つの反応を見極め、それに対処していくことで、見えない「気」を整えることができるのではないかと。
ある日、こんな実験をしたことがあります。
脈診ができる鍼灸師のかたに、和伝整体の基幹の型の施術前と施術後で脈がどう変わるかを診ていただきました。
すると例外なく、良い脈い変化しているといいます。
これはすごいことではないでしょうか。
脈は人体の一番表層に現れる「気」の変化だとされています。
つまり、脈の変化から「気」や経絡の変化をうかがい知ることができるという事ですね。
すると、脈が良い方向に変化しているということは、和伝整体の基幹の型には気と経絡を調整する技術があるということになります。
下手な経絡治療より、よほど効果が高いと褒めていただきました。
もちろん過分なお言葉だと思っています。(でもちょっと嬉しかったです)
経絡の発見
ではそうやって発見されたツボ(経穴)をつないで経絡が発見されたのか?
これも私の個人的な意見ですが、ちょっと違うような気がします。
先に発見したツボを何らかの方法で刺激しますよね。
すると痛い箇所に響きます。
その響きは神経を刺激されておこる響きとは少し違います。
通常、鍼の響きと言われているのはこの神経刺激の響きのことです。本来の鍼の響きはまったく別ものです。
敏感な方は感じますが、それはよほど敏感な人だと思います。
本当の鍼の響きは痛い箇所にダイレクトに響きます。
受け手も感じることもありますが、大抵は施術者しか感じとれません。
それは鍼で神経を刺激したときにおきる響きとはまったく違って、そのツボを刺激すると、連動して痛い箇所になんらかの変化がおきます。
そのときに体内に、あるルートのようなものを感じるのです。
なにかが、流れているような、スッと通じたような、そんな感じです。
経絡の発見、それは経穴の発見とまったく同時に、しかし経穴とはまた別に発見されたものではないか、と考えています。
そしてその経穴、経絡の感知能力によって、あるものが経穴経絡とはまた別に発見されていくのです。
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