望診法講座1 「Don’t think. feel!」

目安時間8分

『治療家の手をつくる練習』

 

私たちの望診法の練習会では、まず「治療家の手」をつくることを目標にしています。

 

治療家の手とは、気を感じ取れる手のことです。

 

そのためには気感を得なければなりませんが、それは何かといいますと、簡単に言えば通常なら感じない、もしくは感じ取ってはいてもほとんど無視しているような微小な差異を明確に感じ取る手をつくる練習です。

 

練習方法はいくつかありますが、始原東洋医学の勉強会を参考に電気回路から電気の流れを電線から数センチ離れた位置から指先で感知するという練習方法も採用しています。

 

 

 

以下、治療家の手をつくる練習での質問への回答です。

 

質問

電気装置の訓練ですが、ふわっとした感じ、ビリビリした感じ、またときには磁石の反発のような感じもありますが、どれが正しいでしょうか?

 

回答

 

気の流れと電流の流れは似たような感覚なので(※あくまで似ているだけです、電流=気ではありません)

 

気の流れをつかむ感覚訓練として、簡単な電気装置をつくってその電流の流れを手で感じ取る練習を補助としてやっています。

 

さて、回答ですが、その感覚はいずれも正しくありません。

 

電気の流れは、純粋な気の流れと違い、不純物がかなり混ざっています。

 

その不純物をビリビリした感じ、ふわっとした感じと感知するのですが、それはそれで感じていただいてOKです。

 

それが初期感覚だからです。

 

でもずっとそれではだめですから、その中から純粋な気を感じ取れるようにならなければなりません。

 

で、純粋な気の流れですが、それは「なんとなくそこにある感じ」としか感知されません。

 

熱感も冷感も、空気の抵抗も磁石の反発するよな感じもありません。

 

ただ、そこに「ある」、「なにかが流れている」という感じです。

 

多くの方がここで間違います。

 

冷感、熱感、磁力が反発するような感じ、などなど。

 

それを気の感覚として捉えてしまうのですが、それは純粋な気の流れではなく、あくまで不純物をまとった気でしかありません。

 

なので、それを「気」として追ってしまうと間違った方向へ進んでしまうことになります。

 

そこから気の感覚を追うという作業をしなければなりません。

 

そのためには次の段階としてその不純物を、不純物として捉えていくことが大事です。

 

電流の流れは気の流れと同じもの?

電流の流れの不純物ですから、本当の気の流れと判別しましょうって、さらっと書きましたが・・・。

 

人によって違うかもしれませんが、実はそれが最も難しく、最も時間がかかります。

 

なにかを感じ取るところまでは、比較的スムーズにいくんです。

 

これも人によって違うかもしれませんが。

 

そこから先が長いです、根気がいります。

 

でも、そこをあきらめずに努力してください。

 

コツとしては、肩の力を抜くこと、そんな簡単なことですが、意外にできている人は少ないです。

 

なので、次の段階としてのコツは「力を抜く」です。

 

力が抜けているかどうかの簡単なチェック方法をお伝えします。

 

例えば背筋を正します。

 

10分そのままの姿勢を保ちます。

 

そこで背中、首、肩など痛みやコリを感じるのは力が抜けていないからです。

 

まずは腹式呼吸で丹田を意識します。

 

そこで、いわゆる「ハラ」を作ります。

 

そのハラの上に上半身を乗せます。

 

ただ、乗せるのです。

 

乗せているだけなので、力は抜けるはずです。

 

抜けていないのは、何らかの筋緊張がるからなのですが、その原因を探るのもまた自己の内部感覚を探る練習、それがまた望診の練習にもつながっていきます。

 

治療家の手をつくるときの最大の注意点

 

さて、ここで最大の注意点を書いておきますね。

 

治療家の手を作ること自体も同じなのですが、電気回路でなにかを感知しようとした場合、ほとんどの方が指先に意識を集中します。

 

ここで意識を集中する場所は指先ではいけないんです。

 

指先の、さらに先。

 

ここに意識を集中しなくてはなりません。

 

とても大事なことなので、繰り返しますね。

 

指先の、その先にある「なにか」を感知するように意識を集中するんです。

 

もちろん電線自体に指先を触れるわけではありませんので、電線そのものに意識を集中するわけではありません。

 

また、電線に触れない、つまり対象物に触れないということは、指先でもないんです。

 

これが、指先で実際に対象物に触れて、つまり触診するなら指先に意識を集中するのが正しいのでしょう。

 

でも、これは気感を得る練習です。

 

気は現象界(物質の世界)のものではなく、潜象界のものです。

 

ですから、指先の触覚に頼るのではなく、その先にあるものを感じなければなりません。

 

ブルースリーさんも言ってましたよ

Don’t think. feel!

 

ブルースリーが弟子に教える時に行ったセリフです。

 

月を指さすリー先生、弟子はその指先を見ようとします。すると、指先を見るんじゃない、そこにこだわると、その先にある月(美しいもの、大切な物)が見えなくなってしまう。

 

その先にあるものを感じるんだ(Don’t think. feel!)といった内容だったと思います。

 

見て、触れることが出来る世界も確かに重要です。

 

しかし、それだけにこだわると「気」はもう感じることができません。

 

 

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

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古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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