望診法講座14 「望診法と身体操作」

目安時間6分

NHK総合で日本の伝統芸能という番組をやっていました。

日本舞踊を青木崇高(俳優)さんが学ぶという番組でした。

 

その番組の中で、舞踊のお師匠さんの言ったセリフが印象的でした。

「若いうちは体が硬いから、修業をしていく中で柔らかくしていくんだ」

 

普通は若いと体は柔らかい、ということになりますよね。

 

でもそれは単純な関節の可動域や筋肉のコリ、硬さのことではなくて、

余計な力が入っているかどうか、という事を言われているんだと思いました。

 

これも講座の中でのちのち解説させていただきますが余計な力が入っていると滑らかな動きができないんです。

そしてそれは筋肉動作だけのことではなく、思考もそうなんです。

 

望診修得のための第一段階で必要な事は、余計な力、余計な思考、余計な意識の排除なんですね。

そして、自分の身体感覚をクリアにしていくんです。

 

すると、気の感知能力がでてくる、普段は余計な力、思考、意識に邪魔されて発揮できないだけなんです。

 

つまり、気の感知能力は育てるのではなくて、修練して身に着けるのではなくて、

感知能力を邪魔しているものを排除するだけなんですよね。

 

それをどう応用するかは、技術ですけれどもね。

具体的な方法はまた講座の中で。

 

力を抜くことに役立った身体訓練

気を感知するために必要な「力を抜く」についてです。

 

これについては、古今東西にさまざまなメソッドが存在していますので、
私ごときがあまりえらそうな講義はできません。

 

私が参考にした中で、特に役立ったものを列記しておきます。

 

1、禅、瞑想

2、肥田式強健術

3、韓氏意拳

 

1に関しては、瞑想法のほうが手軽で良いかもしれません。

 

3に関しては基礎の力を抜く訓練が役立ちました。

 

力を抜くことに関してのご質問への回答

力を抜く、という点について「できません」「わかりません」といったご質問をいただきました。

 

ほんとうに力を抜く、といったことは極意にも通じることで、簡単ですが難しいんですね。

 

私も完全にはできません。

 

できたら達人です(笑)

 

もちろんその境地を目指したいとは思っていますが。

 

で、望診に必要なレベルでは頭部、首、肩、胸、肩甲間部のリラックスができていればOKです。

 

最初にひとつひとつ意識して力を抜く練習をすると良いかと思います。

 

例えば、目とその周囲の筋肉、

首(意外に力が抜けていないことが多いです)、

そして肩から腕にかけて、そして手。

 

思ったよりあちこちに力が入っていませんか?

 

目を凝らしてはいませんか?

 

手に力がはいっていませんか?

 

チェックしながらひとつひとつ、力を抜いていきます。

 

胸の筋肉に関してはみぞおちに力が入っていないかどうかで判断すると良いかと思います。

 

あとは背中、肩甲間部ですね。

 

それだけできれば、とりあえずOKということで、先に進みましょう(笑)

 

言うのは簡単ですけどね。

 

3つのメソッドに関する質問への回答

さて、前回提示させていただいた3つの方法の補足です。

 

まず瞑想についてですが、解説を始めると膨大な量となってしまいます。

 

ですから、ポイントだけ。

 

瞑想法としてのメソッドはいろいろありますが、基本は同じです。

 

前提条件としてまず背筋を伸ばせる状態にすること、これは寝いていてもOK、
座っていてもOK、座禅と違ってそのあたりは自由度が高いです。

 

次に力を抜く、というところですが、ここが重要です。

 

2番目の肥田式強健術にも通じるところがあるのですが、
力を抜くというのは重力からの解放なんですね。

 

・・・、さらっと言ってしまいましたが、これとっても重要かつ、難しい話です。

 

簡単に言ってしまうと、力を抜く、それだけなんですが、これだけのことが難しいです。

 

たとえば椅子に座った状態でだら~んと力を抜く、
「なんだ、簡単に力が抜けるじゃないか」と思わないでください。

 

そのまましばらくじっとしていると、肩や腰が痛くなってきませんか?

 

これ、力が抜けていないからなんです。

 

次回の動画で少し解説を加えてみようかと思ってます。

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

当会での望診で気を診る技術は再現性を重視、既存の東洋医学の理論とは一線を画すものとなっております。

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勉強会風景
古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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