柔道整復師の将来性

目安時間7分

そもそも柔道整復師は、その存在価値を間違って認識している

柔道整復業界の裏側と、将来性を本音で語ります。

なので、覚悟して読んでくださいね(笑)。

 

私がこの業界に入った30年前、当時の整骨の先生方は「30年前とは事情がだいぶ違うからね」と言ってました。

どういうことかと言うと、そこからさらに30年前は整形外科が普及しておらず、捻挫、脱臼、骨折の整復は整骨院の役割だったのです。

レントゲン検査も整骨院でできましたからね。

 

なので昔の柔整師は医師なみに稼げました(うらやましいです・本音)

ところが、整形外科が普及して以降は脱臼、捻挫の整復業務は整形外科医の仕事になってしまいます。

 

つまり今から30年以上も前から柔道整復師の業務は無くなっていたんです。

いや違うぞ、うちではちゃんと整復してる、骨折もみている、という先生もおられるでしょうが、業界全体で見た場合はどうでしょうか?

 

私を含め、同期の整骨院で骨折、脱臼の整復で業務が成り立っている整骨院なんて、ありませんよ、皆無です。

 

まず、柔道整復師の保険適用業務は骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷のいわゆる外傷に限られます。

でも、そのほとんどの仕事はいまはないんですよ。

 

それが現在の整骨院保険取り扱いで不正が横行しているという問題の遠因となっていました。

患者はくる、保険適応の外傷じゃないけど、それを捻挫・挫傷だといってレセプトをだせば、通る。※レセプト=保険請求書のことです

 

患者も柔整師も両得ですから、そりゃ、やりますよね、保険請求。

昔は本来の業務があったので、不正請求なんてする必要もなかったんです。

 

それから30年、その問題が棚上げされたまま現在となり、今年から柔道整復業界に厚労省のメスが入ることになります。

2018年度から、保険取り扱い(柔整師の場合は受領委任払いといいます)をする場合、1年間の実務経験がないと開業できない、さらに2日間の専門研修を受けることが必須となりました。

 

さらに、レセプトの監視体制が強化されます。

以前なら普通にできた部位転がしが出来なくなります。

 

※部位転がしとは、外傷は3か月間が施術期間の目安になるので、首が治ったら、腰で請求をだす、また3か月たって腰は治癒、今度は膝の捻挫でレセプトを出すといったことを繰り返すことを言います。

 

国の事情もあるのでしょうね、予算がない、削れるところは削りましょうってことです。

レセプト監視を強化した昨年、柔整の保険支払いを5億円ほど削減できたそうです、成果がでてます!

 

でも、よく考えたら、それが本当なんですよね。

いままでがおかしかったんです。

 

問題をずっと棚上げにしていたことも。

 

いまやっと業界が正常に機能するように向かっているのだと思います。

 

鍼灸の同意書も・・・

鍼灸師も同じように厳しくなっています。

鍼灸の保険請求には医師の同意書が必要です。

 

以前はその同意期間は3か月でしたが、今年(2018年10月)から6か月間に延長されました。

なんだ、良くなったじゃないか!と思われるかもしれません。

でも、その同意書を書いてくれる医師がいません。

 

以前書いてくれた先生でも、いまは同意書を書いてくれません。

その理由を聞くと「いま医師会の役員をしているから書けないんだ」とか、「うちは医師会に入っているからだめだよ」と言われます。

 

どういう意味なんでしょうかね?

それで、どの先生なら書いてくれますかって聞くと、「あそこの先生なら医師会に入っていないから書いてくれるんじゃない?」という返事です。

 

あとは察するしかないですね、みなさんのご想像にお任せします。

 

柔道整復師の価値と未来

話を元に戻します。

 

では、柔道整復師の将来はどうなっているのか?

まず、保険取り扱いが今後もますます厳しくなっていくことは間違いありません。

 

開業条件の1年間の実務経験も3年に延ばされる予定です。

レセプトの監視体制もさらに厳しくなります。

 

いままでのように部位転がしによる保険制度で食べていくことは、出来なくなります。

保険が効くので安いからという理由では存在できなくなるということです。

 

ですから柔道整復師も実費診療せざるを得なくなるでしょう。

すでに実費診療に切り替えていこうという先生方も増えています。

 

そこでものをいうのは、やはり「治せる技術」です。

 

慰安マッサージ?、美容?、そんなもので付加価値をつけても疲れるだけでしょう?

そもそも、それなら柔整師の資格も必要ないとうことじゃないですか。

 

そんなことをしなくても柔道整復師本来の業務で、整形外科医が手の出せない分野があるじゃないですか。

いまこそ原点回帰すべきなんです。

 

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東洋医療技術研究会 代表者名

現代表 勝木れい子(石川県金沢市 鍼灸師)

技術主任講師 吉田宜正(石川県 柔道整復師)

講師 岡田 (大阪府 整体師)

講師 水根 (兵庫県 鍼灸師)

講師 西域 (奈良県 鍼灸師)

 

相談役 古川正明先生(福岡)

記事執筆・メルマガ担当 前沢

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勉強会風景
古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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