いくつか似たような質問をいただいております。
1、筋肉の緊張を痛みなくとり、伸びるようにするにはどのような手技がよいでしょうか?
2、固まりのような筋肉に対して、鍼治療以外で対応するにはどのようにしたらよいでしょうか。いまのところ軽擦くらいしかしておりません。
3、50代女性(臼蓋形成不全)と70代女性(レントゲン上異常なし)の二人の片方の膝が90度以上曲がりません。四頭筋の横引きや膝蓋骨周辺をじっくりほぐしているのですが効果はなく、膝が錆びた金属のように硬いままです。良い方法はあるでしょうか。
上記のご質問に対して、ヒントとなるかどうかわかりませんが1つ、筋肉は伸びませんよ。
筋肉の機能は緊張と伸長、ではなく、緊張と弛緩です。
つまり縮んで、それが緩むことはあっても伸びることはないんです。
ではなぜ緊張したままなのか?
それは緊張しなければならない理由があるからです。
血圧が理由あって上がるのと同じです。例えば末梢血流が悪くなっているので血圧をあげて血流を促している、などですね。
では、筋肉が緊張したままになる理由はなんでしょうか。
一番多く見られるのは局所の脆弱化による補強といった理由です。
わかりやすく言うと、怪我をした部位を補うために筋肉が固くなって補強しているんですね。
それが慢性化したものもあります。
理由はさまざまですが、極論すると脳がそれを命じているということです。
解決のヒントになりましたでしょうか。
雑記 「凧は天高く飛び、夕暮れに土に帰る」
誰の言葉かは忘れましたが、意味するところは常に原点、中庸に戻ってくることの大切さを言っているのだと思います。
そんなことは分かっているつもりでも、それに夢中になったり、真剣に取り組んでいるうちに忘れてしまいます。
本人も気づかないうちに。
勉強も同じなんですよね。
私も経絡や気滞の勉強を中心にしておりますが、現象界は現実に住んでいる世界であり、そのことは決して無視できません。
具体的に言えば現代医学、問題点は多々あるのでしょうが、やはり医学の王道であることに違いなく、潜象界という世界(経絡や気滞)にあまりにはまり込んでしまうのは危険だと思っています。
たとえば、居心地がよいから勉強になる、は間違った方向に進んでいる可能性があります。
それは違う、やりたくない、といった方向に本当の答えがあることも多いのです。
効果がすばらしい、これは間違いない!も逆に間違った方向に進んでいる可能性があります。
万能の治療法なんて、それこそ絶対にないのですから。
もちろん経絡の勉強に真剣に取り組むのは良いことだと思いっていますが、常に中庸に戻る努力もしないと、気づかないうちに間違った方向にいってしまうことがあると思ってください。
本当の道に進むって、苦しいことなんだと思います。でもその苦しさを苦痛と感じないほど真剣に取り組めたら、本当の道をみつけたことになるのだと思います。
偉そうなことを書いてすみません。
自分の失敗からの、心からの忠告です。
ではまた。
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