無痛ゆらし整体、回復整体ってどう違う?

目安時間6分

無痛ゆらし整体について

整体とは文字どおり、体の歪みを整える技法なわけですが、その技術体系は2つに大別されます。

 

いろいろな流派、手技がありますがその根本原理はみな同じです。

 

一つは自重、自然な力による、緩やかな回復をさせる手技。この手技の特徴は短期間で、簡単に修得可能というところにあります。

 

欠点はもうひとつの他力施術に比べて効果のでかたが遅いところ(時間がかかる)でしょうか。

 

もう一つは他力によるもの。他者整復手技ですね。これは効果も高く、即効性がありますが修得が難しく、逆治になれば当然悪化します。練習と経験が求められます。

 

自重、自然な力による、緩やかな回復をさせる手技についてはいろいろな名称で整体技法が体系化されています。

 

一般に流布されているルーツは大まかに下記の通りです。

 

岡山県に森原貞雄先生というかつて若い頃に均整の亀井進先生をはじめ同じく均整の黒川瀞雄先生をも指導された柔道整復師の先生がおられたそうです。

 

黒川瀞雄先生をして名人と言わしめたお方で、そのすごい名人が創始された手技療法がルーツとなっているそうです。

 

京都で講習会を始めたことから別名「京都手技研」とも呼ばれその後、しんそう療法、理学整体、その他多くの支流を生んできたそうですが、その難解さから多くの脱落者を生んできたらしいです。

 

私も当時のテキストやノートを拝見させていただいたことがありますが、確かに、ちょっと読んで理解できるような内容ではありませんでした。

 

そんな中、山田洋先生の代で一気にその手法が広まります。

 

自然形体療法という、いわゆる「ゆらし系手技療法」です。

 

そこから回復整体、無痛ゆらし療法(PST)などの分派も生まれています。

 

私は現在、どの流派にも属していませんが、最初にこの「ゆらし系整体」に触れたのは仙台の小川先生の中国医学研究所でした。その当時の技法は床もしくは布団の上での施術スタイルでした。
(現在はベッド施術スタイルが前提です)

 

その後ある古武術の講習会で、実技の前に「体をほぐす」として、この「ゆらし整体」を偶然にも再体験しています。

 

それらが、自然形体以降の「ゆらし系整体」の原型であったと思われます。

 

当時はまだ各技法に名称もついていなかったと思います。

 

私はその上流である「ゆらし整体」と自然形体より下流の回復整体、無痛ゆらし整体の3流派を学びました。(自然形体、回復整体、無痛ゆらし整体はまったく同一の整体技法です)

 

手技療法初心者でも無理なく短時間で習得していただくため、多くをこの系譜の下流の流派の手法から選び「和伝整体療法」と称してお伝えしています。

 

その技法体系は還元法といった筋筋膜にはたらきかける技法、横引きといった主に筋腱にはたらきかける技法、静圧という経絡にはたらきかける技法を柱にゆらし、伸ばしを加えながら、可能な限り安全かつ効果的に体の歪みを整えていく施術体系をとっています。

 

雑記 「凧は天高く飛び、夕暮れに土に帰る」

誰の言葉かは忘れましたが、意味するところは常に原点、中庸に戻ってくることの大切さを言っているのだと思います。

 

そんなことは分かっているつもりでも、それに夢中になったり、真剣に取り組んでいるうちに忘れてしまいます。

 

本人も気づかないうちに。

 

勉強も同じなんですよね。

 

私も経絡や気滞の勉強を中心にしておりますが、現象界は現実に住んでいる世界であり、そのことは決して無視できません。

 

具体的に言えば現代医学、問題点は多々あるのでしょうが、やはり医学の王道であることに違いなく、潜象界という世界(経絡や気滞)にあまりにはまり込んでしまうのは危険だと思っています。

 

たとえば、居心地がよいから勉強になる、は間違った方向に進んでいる可能性があります。

 

それは違う、やりたくない、といった方向に本当の答えがあることも多いのです。

 

効果がすばらしい、これは間違いない!も逆に間違った方向に進んでいる可能性があります。

 

万能の治療法なんて、それこそ絶対にないのですから。

 

もちろん経絡の勉強に真剣に取り組むのは良いことだと思いっていますが、常に中庸に戻る努力もしないと、気づかないうちに間違った方向にいってしまうことがあると思ってください。

 

本当の道に進むって、苦しいことなんだと思います。でもその苦しさを苦痛と感じないほど真剣に取り組めたら、本当の道をみつけたことになるのだと思います。

 

偉そうなことを書いてすみません。

 

自分の失敗からの、心からの忠告です。

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古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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