実技講習会における整体技法の練習ですが、これは実技講習スタート前に7~8月の間に動画で予習しておいていただこうと思っています。
1週間単位で各動画を見て、その時点での疑問点はメール等で解決しておいていただきたいと考えています。
講習時間は限られていますので、スムーズに進行できるようにするためです。
整体技法に「指圧、ほぐし」を追加するといいましたが、これは気流診もしくは、治療家の手による施術点、施術ポイントの選定をおこなったのち、手技でその気滞もしくは経筋の緊張緩和を目的とする「指圧・ぼぐし」となります。
「ていしん」で行っていたことを指で施術するということです。
ですから、「ていしん」で練習した内容が重要になってきますし、その練習は「ていしん」「ほぐし」相互に補い合う形にもなります。
したがって、「ほぐし」と言っても格安マッサージで受けるような慰安的なマッサージではありません。
気滞の調整と筋骨格の矯正を目的とします。
これらの施術は別個に使用するわけではありません。
ピンポイントで経穴を使って気滞の調整(経絡治療)をするなら「ていしん」だけでも良いのですが、経筋の緊張を伴い矯正も必要となるなら、その程度に応じて「ほぐし」さらに「整体」を加えるということになります。
それぞれが関連しあい、補い合っていますから、どの技法も練習していただきたいと思います。
ただ、それぞれの得意、不得意もあり、古川先生のように「ていしん」だけで施術されている先生もおられます。必ずしも全部を使いこなす必要はありませんが、一度は練習しておくと、主力として使っている施術技術にも奥深さを増しますし、いざというときにも役立つと思います。
筋診断法と脈診(補助練習)
筋診断法と脈診について(その1)です。
この二つは診断即治療と言われていますが、私は脈診に関してはそうは考えていません。
一定の脈状に対して証(あかしと読む、診断名みたいなもの)が決まっていて、それに伴う主治穴(使用経穴)も決まっています。
ですから診断即治療なのですが、それだと単なるパターン治療になってしまうと思うのです。
経絡治療のある日の勉強会でこんなことがありました。
被験者Aさんは症状としては「肩こり」と言われました。
その体質は本来、脾虚で、その時の脈も脾虚の脈状でした。
だから経絡治療を実践されている先生方は「この肩こりの主治穴はタイハク(脾虚の経穴)だ」と言うのです。
一見まともなように聞こえます。
ただ、それは練習会のことであり、Aさんの症状も、しいて言えば「肩こり」という状態。
そして私が一番気になったのは、Aさんは問診のときに最近はお腹の調子はいい、と言っていたんです。
人には体質脈があり、基本的に症状がなく健康な状態でもなんらかの証(あかし)が立つものです。
つまり、この時の脾虚という脈は体質のものであって、異常を表す脈状では無い可能性があると思いました。
この時Aさんの体質である脾虚は比較的良好な状態にあった、この肩こりは経絡異常からくるものではなくて、単なるデスクワークからの疲れのレベルである可能性が高い。
すると、経絡調整より、実際に固くなっている筋肉を直接ほぐしたほうが、即効性もあり、時短にもなる、と考えたのです。
脈診は脈の強さを見るのではなくて、脈相を見なければならない、いろいろな顔つきがあるが、形ではなくて、自然な表情をしているかどうかが大切であると思っています。
脈は気が血に変化して現れたものですから、望診ができない間は脈をみて判断することも練習になります。
そういった脈の強弱ではなく、脈相をみるような練習会をしてみたいと考えています。
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