望診勉強会について3

目安時間5分

実技講習会における整体技法の練習ですが、これは実技講習スタート前に7~8月の間に動画で予習しておいていただこうと思っています。

 

1週間単位で各動画を見て、その時点での疑問点はメール等で解決しておいていただきたいと考えています。

 

講習時間は限られていますので、スムーズに進行できるようにするためです。

 

整体技法に「指圧、ほぐし」を追加するといいましたが、これは気流診もしくは、治療家の手による施術点、施術ポイントの選定をおこなったのち、手技でその気滞もしくは経筋の緊張緩和を目的とする「指圧・ぼぐし」となります。

 

「ていしん」で行っていたことを指で施術するということです。

 

ですから、「ていしん」で練習した内容が重要になってきますし、その練習は「ていしん」「ほぐし」相互に補い合う形にもなります。

 

したがって、「ほぐし」と言っても格安マッサージで受けるような慰安的なマッサージではありません。

 

気滞の調整と筋骨格の矯正を目的とします。

 

これらの施術は別個に使用するわけではありません。

 

ピンポイントで経穴を使って気滞の調整(経絡治療)をするなら「ていしん」だけでも良いのですが、経筋の緊張を伴い矯正も必要となるなら、その程度に応じて「ほぐし」さらに「整体」を加えるということになります。

 

それぞれが関連しあい、補い合っていますから、どの技法も練習していただきたいと思います。

 

ただ、それぞれの得意、不得意もあり、古川先生のように「ていしん」だけで施術されている先生もおられます。必ずしも全部を使いこなす必要はありませんが、一度は練習しておくと、主力として使っている施術技術にも奥深さを増しますし、いざというときにも役立つと思います。

 

筋診断法と脈診(補助練習)

筋診断法と脈診について(その1)です。

 

この二つは診断即治療と言われていますが、私は脈診に関してはそうは考えていません。

 

一定の脈状に対して証(あかしと読む、診断名みたいなもの)が決まっていて、それに伴う主治穴(使用経穴)も決まっています。

 

ですから診断即治療なのですが、それだと単なるパターン治療になってしまうと思うのです。

 

経絡治療のある日の勉強会でこんなことがありました。

 

被験者Aさんは症状としては「肩こり」と言われました。

その体質は本来、脾虚で、その時の脈も脾虚の脈状でした。

 

だから経絡治療を実践されている先生方は「この肩こりの主治穴はタイハク(脾虚の経穴)だ」と言うのです。

 

一見まともなように聞こえます。

 

ただ、それは練習会のことであり、Aさんの症状も、しいて言えば「肩こり」という状態。

そして私が一番気になったのは、Aさんは問診のときに最近はお腹の調子はいい、と言っていたんです。

 

人には体質脈があり、基本的に症状がなく健康な状態でもなんらかの証(あかし)が立つものです。

つまり、この時の脾虚という脈は体質のものであって、異常を表す脈状では無い可能性があると思いました。

この時Aさんの体質である脾虚は比較的良好な状態にあった、この肩こりは経絡異常からくるものではなくて、単なるデスクワークからの疲れのレベルである可能性が高い。

すると、経絡調整より、実際に固くなっている筋肉を直接ほぐしたほうが、即効性もあり、時短にもなる、と考えたのです。

 

脈診は脈の強さを見るのではなくて、脈相を見なければならない、いろいろな顔つきがあるが、形ではなくて、自然な表情をしているかどうかが大切であると思っています。

脈は気が血に変化して現れたものですから、望診ができない間は脈をみて判断することも練習になります。

 

そういった脈の強弱ではなく、脈相をみるような練習会をしてみたいと考えています。

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

当会での望診で気を診る技術は再現性を重視、既存の東洋医学の理論とは一線を画すものとなっております。

イメージを排除し、あくまで出来るか否か、気とは、経絡とはなにか、その正体を追求します。

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東洋医療技術研究会 代表者名

現代表 勝木れい子(石川県金沢市 鍼灸師)

技術主任講師 吉田宜正(石川県 柔道整復師)

講師 岡田 (大阪府 整体師)

講師 水根 (兵庫県 鍼灸師)

講師 西域 (奈良県 鍼灸師)

 

相談役 古川正明先生(福岡)

記事執筆・メルマガ担当 前沢

会計担当 山田

勉強会風景
古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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