患者さんは筋肉のコリをあまりに簡単に考えすぎています。
ほとんどの関節の痛みは筋肉のコリから始まり、それが強度になると関節の歪みを発生します。
つまり関節の歪みは筋肉のコリとも言えるんです。
微弱刺激の経絡治療や軽いマッサージでも関節矯正ができるのは、もともと歪みの原因が筋肉だからです。
でもこれ考えてみれば、当たり前なんですよね。骨と骨をつないでいるのは筋肉なんですから。
また、筋肉の動作不良からも痛みを発します。
つまり、機能障害です。物理的な障害ではないので、当然レントゲンにはなにも写りません。
患者さんもよく言いますよね、「レントゲンではなにも異常ないって言われたんですけど」って(笑)
夜も眠れないくらいの激痛を発する四十肩も極論すれば筋肉のコリと機能障害ですよね。
それと、高齢者の関節の痛みで思う事は、絶対的な筋肉量が足りない方がみられます。
そういう方は、まず筋トレをしないと痛みはとれません。
少し古い話ですが、金さん銀さんも筋トレしていたことは有名な話です。
絶対的な筋肉量が保てていないと、日常動作でもかなりの負荷となり、関節に痛みを生じます。
なにもしてないのに・・・と患者さんは言われますが、
日常動作に耐えられないくらい、筋肉量が足りていない場合があるんですね。
もちろん、それにも機能障害(動作不良)が伴います。
あと、筋肉の重要な機能として筋ポンプ作用があります。
血液や体液の循環を助けているんですね。
だから、筋肉のコリや機能障害があると体内水分(血液等)の循環不良となり、
季節の変動についていけなくなったり、慢性的な冷え、疲労を感じるようになります。
そのあたりの認識を改めていただく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
筋肉のコリ(緊張)と望診
(質問)
気滞の望診と経筋、骨格の望診とは違うのでしょうか?
(回答)
じつは違います。
気や気滞は「なんとなく、あるのを感じる」という感じ方です。
経筋、骨の歪みはある程度はっきりとした形として感知されます。
なので、両者は最初間違えやすいですね。
でも使い分けると、気滞はないけど歪みがあるのでマッサージでほぐしておこう、
とか、歪みが目立つけど、その奥の原因として気滞があるので、まず経絡の調整を、という施術の組み立てができるようになります。
見分け方は、
気滞・・・そこにある、という感じ方。はっきりとした形としては感知しない。
経筋・骨の歪み・・・はっきりとした形を感じる、複数の関節をまたぐようなラインとして感じる
という違いで見分けますが、最終的には意念の投入の仕方で区別します。
つまり、気滞を感知するという意識を持つか、
経筋を感知するという意識を持つかの違いです。
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