望診の精度を上げていくには自己の身体操作がどうしても必要です。
一言でいえば、「力を抜く」ということです。前回も書きましたが、
本当の意味でそれができれば、達人級です(笑)。
この脱力法を一律に指導できない理由としては、
力を抜くポイントが、個人差があるからなんですね。
だからこればかりは自得しなければなりません。
私の場合は首の全面と肩関節に近い部位の胸筋でしょうか。
望診前にはそのあたりを意識して力を抜くようにしています。
そのための練習ですが、それはヨガでも太極拳でもそれこそなんでもよいかと思います。私の場合は意拳と立禅でした。
座禅でも良いです。座禅を組んでしばらくすると体のあちこちが痛くなってきますが、
そこが力が入っている箇所ですから、その強張りを解消できるように訓練していくのです。
固い床(フローリングなど)に大の字で寝る、というだけでも良いです。
しばらくすると体が痛くなってくると思いますが、力が抜けていると、固い床の上でも大の字のまま熟睡してしまいます。
骨盤の位置、背骨の傾き、肩の位置などひとつひとつチェックして、修正していきます。それが身体操作です。
さて、力が抜ければ達人だと言いましたが、それは極論で、
初歩の段階でもある程度、力が抜けていないと始まらない、ということも言えるんですね。
鍼を持つ手も、静圧の手も、指圧も肩の力が抜けていないと、患者に違和感を与えてしまいます。
いきなり達人級は無理としても、最低限度の脱力はできていないとだめなように思います。
身体操作の参考書
身体操作について、参考になる本や実際の講習会などあったら教えて欲しいとメールをいただきました。
以下、参考書籍です。いずれも必須といっていいほどおすすめです。
古伝望診法の唯一の教科書、創始者有川先生の著書です。
始原東洋医学 有川貞清
感性で捉えるとはどういうことか、が参考になる本です。
最強の言葉 桜井章一
韓氏意拳の論理を説いた書籍
武学探究 甲野善紀 光岡英稔
現代座禅講義 藤田 一照
陽明学入門 林田明大
言わずと知れた名著
原初生命体としての人間 野口三十三
まだまだたくさんありますが、おいおいご紹介させていただきます。
講習会についてはそれぞれの書籍を読んで、自分に合いそうなものを選んだら良いかと思います。
ちなみに私は全参加しています。
桜井章一氏の雀鬼会で麻雀もしてきましたよ(笑)
雀鬼会では、とにかくスピードについていくのがやっとでした。
考える間もないくらいにスピードをあげ、また数をこなすことで余計な考えや力みを排除して感性を研いでいくのですね。
だから数稽古というのはけっして根性論だけの非効率的な練習方法ではないということです。
その対極にあるのがゆっくり動く太極拳や意拳でしょうか。
ゆっくりとした動作の中で自分の体や思考と対峙するのですよね。
その極みが座禅です。
でも目指すところは同じで、力み(体や思考から)をとっていくことで
原初感覚を目覚めさせることだと思っています。
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