次のような質問をいただきました。
「まず体の力を抜く、とありますがただ力を抜いていればよいのでしょうか?」
さて、体の力を抜く、脱力の方法ですが、脱力とはだら~っとした状態、ではありません。
脱力とは適度な緊張と弛緩の拮抗状態のことを言います。
で、力が抜けているかどうかの簡単なテストがあります。
1、硬い床の上で大の字で寝てみる、どこも痛くならなければ柔らかい状態を保てています。
2、次に座禅を組んでみる、これも30分程度、どこも痛くならなければ脱力できています。
静的な状態に体をおいて、どこかが痛んでくるのは、そこに緊張があるからなんです。
それを座位、立位、動的状態でもできていれば脱力できている、といいます。
当会の脱力練習は「10秒筋トレ」です
1、筋トレには2種類あります
一つは「重り」や体重をかけて筋肉を太くする筋トレ
⇒一般的で効果も大きいが、筋肉や関節を痛めることもあり、
トレーニングを止めると、元に戻ってしまいます。
もう一つは、筋肉の動きを滑らかにする筋トレで、これが10秒筋トレの基本になります。
覚えるのに時間がかかりますが、一度覚えてしまうと、トレーニングを止めても元にもどってしまうということがありません。一度覚えれば、筋肉もその動きを忘れないからです。
2、滑らかに動くとはどういうことか?
弓の弦が筋肉だとすると、少ししか引けないのが動かない筋肉。
大きく引けるのが滑らかな筋肉です。
もちろん、大きく引けたほうが、矢は遠くまで飛びます。
つまり大きな力がでるということです。
10秒筋トレは筋肉が本来もっている能力を引き出すことであって、無理な練習で筋肉を太くすることではありません。
3、重要な基本事項三つ(簡単なようで難しい)
力を抜く(意外と力が抜けないものです)
自然な形で動く(自然な動きは痛みがでません)
力を入れずに動く(力を抜いて、自然な動きをするということです)
4、最初に覚えておくこと
「筋肉は無数の筋繊維がスライドするように動く」
「筋肉が縮む方向は一方向のみ」
「意識を集中すると血流が良くなり、動きが滑らかになる」
※これを昔の人は「意を通すと気が通り、気が通ると血が通る」と表現しました。
5、10秒筋トレの概要
第1段階 まずは1つ1つの筋肉の動きを練習します。
第2段階 各筋肉を連動させて、いろいろな動きを練習します。
第3段階 力を抜く、練習をします(これが一番難しいかも)
この基本を約半年間で覚えていただいて、あとは1~2年かけて日常
の中で練習していきます。
6、第1段階の練習内容
骨格と筋肉の位置(解剖)を覚えます(イメージするためです)
そして、筋肉の動きをイメージしながら(意識を集中して)、その
筋肉をゆっくり動かします。
集中してやれば1回10秒くらいで終わります。
1日1回で十分ですので、そのかわり集中して実践してください。
7、日常動作以上のことはやりません
のちのち、筋肉を連動させて動く練習をしますが、基本的には
立つ、座る(椅子か正座)、歩く、寝る、寝返りを打つ、後ろを振り返る、手を伸ばして物を取る、体を丸める、の8種類の日常動作だけです。
理由は継続できなければ意味がないから、です。
日常動作がそのまま練習になりますので、できない、やらない、時間がとれない、ということが起こりません。
なので、誰でもできますし、継続もできます。
8、例えば太極拳のこと
太極拳を見たことはありますでしょうか。
「型」の練習では、ゆっくり、力を入れずに動きますが、太極拳は本来格闘技であり武術のはずです。
ゆっくり動いて、練習になるのでしょうか?
じつは、あれも筋肉に滑らかな動きを学習させ、関節の自然な位置や角度を確認しながら動いているんです。
いついかなる時でも、歳をとっても、動けるように。
日本の空手の型のなかにもゆっくり動く型があります。もちろん同じ理由です。
10秒筋トレでは、特別な「型」はありません。
日常動作が、そのまま「型」となります。
次に講習会に対するご質問への回答です。
ある程度、まとめてお答えします。
まず、1期の方、継続申し込みの必要はありませんし、追加の費用も必要ありません。
最初にお約束したとおり追加コンテンツもすべて初期講習費に含まれております。
またご不明な点があればご連絡ください。
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