さて、このようなメールをいただきました。
「ぎっくり腰を一回の施術で完治する秘密の整体~」という、とある整体に興味を惹かれています~。
といった内容です。
まず、私はぎっくり腰を1回で治せる、というのは100%嘘だと思っております。ちなみに私はぎっくり腰を一回では治せません。
ぎっくり腰は俗称であって、急性腰痛という一種の怪我(=外傷)なんですが、外傷は1回では治せません。なぜなら軟部組織もしくは骨、軟骨の損傷をともなっているからです。
例えば、皮膚にできた切り傷と同じだと思っていただければ良いかと。
ぎっくり腰が1回で完治できるなら、皮膚の切り傷もその場で修復できるはずなんです。
自然治癒の範囲を超えた治癒は起こりえません。それはどの方でも同じだと思います。
重要なのでもう1回言いますが、自然治癒の過程を越える治癒は起こりえません。
ただ、ぎっくり腰に似た症状で筋緊張性腰痛というのがあります。これは1回で改善可能です。
なぜならそれは損傷をともなっていないからです。緊張が解ければ、痛みも取れます。
私も、痛みがひどくて這ってくるのがやっとの患者を1回で治した時など、得意になっていましたが、今から思えばなんのことはない、筋肉の緊張をとっただけの話です。
自然治癒の過程からいえば、治って当然。
もっとも。外傷をともなうぎっくり腰でも適切な施術ができれば、痛みはかなり軽減できますが。
人が治る過程には思っている程には差異はない!
このようなコメントもありました。
「○○整体(名称はあえて伏せます)のこの技法は別の○○技法と同様に使えるのではないか、とか、この技法とあの技法ではどちらが優れているのでしょう?」とか。
似たような技法になるのは当たり前なんです。なぜなら人の体とその治癒の過程から言えば、そんなに差異はないからです。
また、技法の優劣も同様にそんなにはありません。
使う人の技量というか、感覚というか、そちらの方がよほど大きな差異を生みます。
また技法数の多彩さを競うような、○○整体はその技法数5000技、とか。そういうのにもあまり意味はないかと思っています。
同じ関節に同じ技法を用いても、その状況によっては千変万化します。技法数などいくらでもあるんです。
でもやはり治効理論は同じ、人によって全く違う治癒過程をふむなどとは聞いたことがありません。
なにが言いたいかといいますと、技の数を増やすことはあまり効率的ではないということです。
次々に新しい技法(に見える)に飛びつくのも同じではないでしょうか。
一体系が整った技法(整体でも鍼灸でも)を修得されている方、あなたはすでに十分は技法を修得されているんです。
いままでに修得された技法を深めていけば、結局は同じところにたどり着きます。
コメントフォーム