望診講座56 「治療家の手・練習時の指頭感覚について」

目安時間6分

次のような質問をいただきました。

 

(質問)

電気回路での練習を始めてしばらくたちましたが、以下の様な感覚となってきております。

 

1.マイナスから回し始めると指先から、指全体が暖かくなる感じがでます。これはどの指で行っても同じような感覚がでます。自分の場合左手で行ったほうが暖かさが強いです。

2.プラスから逆回転すると指先に抵抗感がでて、回路の中でぴりっと感じる場所もあります。

 

3月4日のメールには、気の感覚にはなんらの実感もともなわないとのご説明がありましたが、
暖かさという感覚も電気の不純物と考えたほうがよろしいでしょうか。

 

 

(回答)

ご質問ありがとうございます。

さて、暖かさ、逆に冷たさ、という感覚も確かにあります。

ただ、それも不純物に近いものです。

 

でも不純物だからダメと言うわけではないんですね。だってもともと電気回路の中に混ざっているものですから。

あるものを鋭敏になった指先の感覚で捉えているわけですから、ダメではないんです。

それらを排除していって、純粋な気の抵抗だけを感知するのが今後の練習課題だと思います。

逆回転の抵抗感、というのが最も気の感覚に近いと思いますよ。

 

冷感、熱感というのは実際の人体のほうが感じやすいですが、これは本物の冷、熱だと思います。

やはり炎症部位は熱感として感じやすので。

 

ただ、これも気滞ではないです。ご注意を。

 

潜象界への入り口

有川先生のお言葉集の中からシェアできるものをご紹介します。

 

「始原東洋医学とは病体からの情報で、五感では感知できず、印知感覚(有川先生の造語)だけで把握できる情報をもとにして治療を行う診療および学問のことです。私(有川)が興味本位で開拓して、私一代で消え去るものと思っていた東洋医学に対する一見解が、かなり興味をもたれて世の中に広がる、後世に伝わるなど夢にも考えていませんでした。

 

研究の始めころ私は新しい知覚の発見やその解釈に夢中でした。

 

少しだけ成績に見るべきものが出るよになったころ、同僚の医師に共同研究を誘いましたが、関心を示したのは2,3人の友人だけでした。

少したって、ある一人の医師が勉強したいと申し出られました。

 

承諾はしましたが、五感とはまったく異なる感覚(印知感覚)に依存するこの学問をどんな方法で伝えることができるのか見当もつかず困惑しているとき、アメリカで大村先生がOーリングテストを開発されたのを知り、この方法は私の使っている感覚と似ていると思い、まずO-リングを勉強するように勧めました。

 

現在おこなっている電流装置による練習方法はかなり後年になって開発した方法です。

 

平成に入ってからはさらに数人の先生が勉強に加わり、この方法を書物に残すべきだという話になって潜象界からの診療が出版されました。

 

この本は読んだだけでは理解するのは不可能です。

 

既存の知識を越えて、道なる事実に遭遇しているものと思い、印知感覚を得て初めて内容を離解できます。

 

自然界での五感とは全く違う感覚が存在するのを実感してから本書を読むと、その感覚の存在する世界を自然界とするのは無理で、この感覚は別の世界を感知しているのではないかという考えに行き着きます。

 

この自然界とは別の世界を潜象界と呼びます」

 

追記 正規受講者のかたへ

 

練習は進んでいますでしょうか?

 

「手」の練習だけでは飽きてきておられる方もいらっしゃると思います。

 

全伝コースを選択された方は4月から実技として整体(柔法)のサイトもご案内させていただきます。

 

技法数が多いので1日1~2技法を練習するとして約半年くらいかかりますでしょうか。

 

「手」の練習と平行して実践していただければと思います。

 

なお、動画の中には「てい鍼」での経絡調整の実技も含まれています。鍼灸の免許をお持ちの方はそちらも実践していただければと思います。

 

ただ、私たちが学んだ時はこの「手」の練習だけを最低1年間はやらされました。

 

それくらいは時間をかけて取り組む必要があると思ってください。

 

望診の練習にはいったのは2年目以降です。

 

それでも先輩方からは早すぎるのでは?と言われたものです。

 

先輩方は何年間もただ「見る」という見取稽古を続けて、やっと修得されていましたから。

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

当会での望診で気を診る技術は再現性を重視、既存の東洋医学の理論とは一線を画すものとなっております。

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古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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