望診講座72 「望診と脈診その有用性について」

目安時間5分

これは正規受講者さんからのご質問なのですが、一般受講者さんとも共有したい内容でしたので、本メールで回答させていただきます。

 

(質問)

動画のなかで、取穴があっているかどうか「べにきゅう」で確かめてみればいい、と言われていましたが、「べにきゅう」とはなんでしょうか。

 

(回答)

べにきゅう=紅灸のことです。

 

陽の反応点(灸をすべき反応を示すツボ)に紅で点をつけると、皮膚は色にも反応しますので、効果がみられます。

 

ですが、色をふき取ると効果も消えますから、確認のために紅灸を利用するのもよいですし、練習用にも良いかと思います。

 

なお、陽の反応点につけるので紅(赤色)でないとだめです。

 

陰の反応点には青色を使用します。

 

ふき取りやすいように水性マジックを使用するとよいですよ。

 

脈診上達法

まずはご質問への回答です。

 

①練習について
未だに「なんとなく」さえわからない状態です。練習時間は、長いほうがいいのでしょうか?現在、1日5分程度練習しています。また、練習時は「感じよう感じよう」と意識した方が良いですか?早く上達するコツなどありましたら教えてください。例えば、満腹時は感じにくい、パソコン等からは少し離れた方がいい、等々。

 

②鍼灸について本講座と直接関係ないですが、脈診上達法を教えてください。また、鍼灸で刺針深度はどのように決めていらっしゃいますか?「なんとなく」わかるようになるのでしょうか?鍼灸学校を卒業して8年程になりますが、卒業以来鍼灸実務から遠ざかっておりました。今般、ようやく本格的にやっていきたいと考えるに至り、ご相談させていただくものです。

 

 

以下回答です。

確かに早い方だと、すでに気の感覚を得ておられるようです。

 

ですが、修得スピードにはかなり個人差があります。人が本来持つ原初感覚が気の感知能力ですから、原初感覚が薄れている人ほど、修得が遅くなります。ですが、本来あるはずの能力ですから、必ず修得できるはず。なので、あせらず努力を続けてください。

 

講座スタートから3カ月ですが、よほど原初感覚に優れた方でなければ、修得できていなくて普通です。1年かかって気を感じる、2年目でその気の流れを追う、3年目で応用が効く、を目指してください。

 

我々の先輩で10年かかって修得された方がおられます。学びはじめたのが60歳後半だったと思います。

 

練習時間は長ければ長いほどよいのですが、集中もせずダラダラやっても意味はないので、短時間でも集中できる時間で練 習された方が良いと思います。長時間(30分~1時間)が無理なら、5分単位をこまめにとって練習時間を増やしてください。

 

また力は抜いたほうが良いのですが、気を感知しようとする意念は常にもたなければなりません。意念がなければ気の感知はできません。

 

体調は重要です。満腹時、パソコン作業の疲労時などは避けた方がよいでしょう。

コツは「力を抜く」ことです。

 

さて、鍼の深度についてですが、気の調整においては鍼の角度と方向性が重要なので、私は鍼を置いた時に「気の走る方向」で決めています。これも気の感覚ができてくれば修得していただけると考えています。

 

次に脈診ですが、私も最初の ころは望診とそれに対する施術がうまくいったかどうかの判断に脈が整ったかどうかを参考にしていました。ですが今現在は使っておりません。

 

望診と手の感覚で気の流れを追うことができるようになったので、脈診の必要性が無くなったからです。

 

脈診上達方法ですが、脈診は上手な先生について練習するのが最も早道です。

 

なんでも同じなのですが、上達の近道は「実践」の一言に限ります。

 

まずはやってみて、自分のなかで感覚のデータの蓄積(つまり経験)をおこなうことです。

 

ただ、そのやり方は基準となるものが必要です。それが脈診でもよいのですが、時々中医学、時々トリガーポイントというのではデータの整合性がとれませんから。

まだ始まった ばかりですよ。がんばってください!

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

当会での望診で気を診る技術は再現性を重視、既存の東洋医学の理論とは一線を画すものとなっております。

イメージを排除し、あくまで出来るか否か、気とは、経絡とはなにか、その正体を追求します。

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現代表 勝木れい子(石川県金沢市 鍼灸師)

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講師 水根 (兵庫県 鍼灸師)

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勉強会風景
古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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