望診の練習題5 「本当のツボに刺激を与えると接触鍼でも影響は大きい」

目安時間6分

 

 

 

気滞は腰のところにあります。

さて、問題です。

 

この気滞は、

陽気滞でしょうか?

陰気滞でしょうか?

 

プレゼント付き問題ではないので(笑)、回答は送ってこなくてもよいですが、ちょっと練習として望診してみてください。

解答と解説は次回メールにて。

 

解答

練習題の解説です。

 

陽気滞と答えるかたが若干多かったように思います。

 

ですが、これは陰気滞です。

 

私も最初陽気滞で施術して悪化させてしまったので、間違いありません(笑えない・・・)

例題としてだしているのは、だいたいが間違えやすい例か、珍しい例です。

 

今回のは間違えやすい例でした。

 

望診すると、じつは陽気滞でもひっかかるんですよね。

 

なので、この方は陽気滞だと早合点されることもあるでしょう。

 

でも、ちゃんと陰気滞も見ようとして望診すると、陰気滞のほうが反応が強いんです。

こういう場合は反応の強いほうで施術します。

 

ですから、正解は陰気滞です。

 

みなさんもご注意くださいね。

 

第2問

 

 

 

最初に答えを言います。

 

腰に陽気滞がある患者さんの画像です。

 

ただ、鍼灸も整体も苦手ということで、「ていしん」でのみ施術しました。上記画像をAとします。

 

下記画像がBです。

 

どちらかが、施術前、どちらかが施術後で、ほぼ腰痛も解消された後です。

 

さて、どちらに気滞があるでしょう。

 

 

 

 

解答

画像Aが施術前、腰椎3~5付近に陽気滞があります。

 

画像Bは3回ほど施術したあとの画像です。

施術は整体プラス「ていしん」です。

来院時にほぼ痛みは無くなったと言われたので、望診してみると確かに陽気滞が消失しています。

Bと回答される方もおられたのですが、それは筋緊張を感知したもとと思われます。

改めて、望診してみてください。

 

ツボへの刺激と単純な物理刺激の違い

通常の経穴刺激と気滞からとった経穴刺激との効果の出方について書いた記事です。

 

すでに気滞治療をされている方、望診はできなくても「治療家の手」ができている方も実際の施術で経験されていると思います。

 

気滞からとった経穴、治療家の手を使って切経でとった経穴は解剖学的に物理的にとった経穴刺激と明らかに違う反応を示しますよね。

 

単純刺激だから大丈夫だろう、接触鍼だから大丈夫だろうと軽く考えてツボをとると、思わぬ効果、配穴を間違えると、予想外の逆効果がでてびっくりすることがあります。

 

1期生の方から、少し高度な内容の質問した。本人の了解を得て公開させていただいております。

 

(質問)

気滞がなんとなく「ある」と感じる場合と、はっきり硬く?形をもって感じる場合とがあります。

 

後者は先生の言われる病巣もしくは筋、経筋などかと思うのですが、それでも反応点はとれるとのことでしたので、そこから切経して施術点を求めました。

 

ところがある日、同じ患者で実体のほかに「ある」と感じる気滞を少し上に感じたのです。

 

そこから得られる施術点は実体から得られる施術点とは違いました。

 

そこでその施術点を用いて治療をすると、しばらくして腹痛を訴え(下痢)トイレにかけこむという事態に。

 

これはいったい、どうしたことなのでしょうか。

 

(中略)

実体から得られる施術点でも効果はでていましたが、気滞から得られる施術点を用いると、こんなにも差がでるものかと、いまさらながら驚いております。

 

 

(回答)

この方とは何度かメールのやりとりをしまして、その結果、その反応で良かったのだという結論にいたりました。

 

おそらく、むくみなど水滞がある患者さまなので、下痢というのは正常な反応だったのではないかと思われます。

 

なお、この方のいう治療とは鍼灸治療で、鍼は接触のみですから、お腹に物理的な強刺激を与えたわけではありません。

 

施術のたびに腹痛を訴えていたようですが、回を重ねるごとに腹痛は減り、それに比例して下肢のむくみ、痺れといった主訴も改善に向かっているようです。

 

さて、実体から切経して得られる施術点と、気滞から切経して得られる施術点とで、ここまで差が出ることは少ないのですが、なくはありません。

 

なので、切経のみでも治療はできますが、正確な気滞の位置が判別できると、また違う効果が期待できるかもしれませんね。

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古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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