望診講座102 「治療家の手がつくりだす気のボール」

目安時間9分

治療家が悩む指頭感覚

次のようなご質問をいただいたので、これは皆さんでシェアしたいと思います。

 

(質問)

電線(電気回路を使用した感覚訓練)の周囲に何かあるなぁという感覚はあるのですが、流れを感じることができません。

片手に磁石を持ってみても同じです。

流れが感じられないということは、電線の周囲に感じている何かある感覚も思い込みに過ぎないのでしょうか。

 

(回答)

お悩みの件、よく分かります。

 

多くの方が同じような経験をしておりますが、実は、その「なにかある」という感覚が気の感覚なんですね。

 

気の感覚は、はっきりとした何か(ビリビリ感、反発感など)は伴いません。

 

まさに、「なにかある」という感じだけなのです。

 

では、その感覚が電流の流れていない電線にも同様に感じるか、試してみていただければ良いかと思います。

 

電流無しでは、その「なにかある」という感覚が無いのではありませんか。人体の経絡も同じです。

 

有川先生自身も「物理的な感覚」を伴ったものは、純粋な気の感覚ではなくて、その周辺の不純物を感じているだけだと断言されております。

 

ですから、その「なにかある」という感覚を大切に育てててください。

 

ところが、後日、電流を通していない電線でも同様の感覚があるという事で、これは疑似感覚であったらしいことがわかりました。

 

でも、それはそれで、その感覚は間違っている、ということが分かったので、そこをまた修正していけば良いのです。

 

で、私が過去に訓練した内容で、手の感覚を鋭敏にする方法をいくつか紹介させていただきます。

 

一つは正規受講の動画の中にある、「合掌行気法」です。

 

ここでは、もう一つの方法を紹介させていただきます。

 

手による気の感覚訓練法

まず、合掌します。指の間隔を少しあけて、両手を2~3㎝離します。そして再び指の頭だけをそれぞれくっつけます。

 

人差し指は人差し指で、親指は親指どうし、と言ったかんじで。

 

そして再びその合わせた指頭を少しづつ離していきます。

 

20㎝程度が良いでしょうか。

 

その状態で離した指頭どうしで、発する気のやり取りをします。

 

あたかも指どうしが繋がっているかのように。

 

一度に全部の指をやらずに、一つずつのペアをつなげていきます(これがコツです)。

 

そこで、全部の指に気のつながりを感じてきたら、労宮というツボどおしも同様に繋げていきます。

 

すると両手の指、手のひら全体で磁石が反発するかのような、また逆に引き合うような感覚がでてきます。

 

そして、その感覚がだんだん、ボールを両手で挟んでいるような感覚になってきます。

 

それが、気のボールです。

 

これは私が気功教室で習った方法の一つで、私はその日のうちに出来るようになってしまい、講師から褒められ、少し有頂天になった覚えがあります。

 

今思えば、これも気の疑似感覚に過ぎないので、有頂天になるほどのことではありませんでした。ですが、指頭訓練としては良い方法だと思いますので、やってみてください。

 

追記 ヘミシンクと望診

さて、前回からの続きです。前回は手の感覚の鋭敏化ということで、書かせていただきました。

 

これは「治療家の手」の作り方でもあります。

 

今回は音楽を使った原初能力の開発方法です。

 

音や音楽はその昔は神に通じるための神聖なものという扱いでしたから、音との共鳴による身体能力の開発というのは、今よりずっと重要視されていたはずです。

 

現代でも音楽を能力開発に使用するためにいろいろなものが開発されています。私が利用したものはヘミシンクですが、これは効果を実感できました。

 

自分の中のなにかの感覚がすっと変わるのを実感できたんです。

 

ただし、ヘミシンクが誰にでも効果があるかといいうと、そうではありません。

 

以前、甲野善紀氏(武術家)から、ある楽曲を聞いていたら、体中がバラバラになるような感覚となり、そこから武術の技が進展した、という話を聞き、自分もその曲を聞いてみました。

 

ですが、自分にはただの歌謡曲で、なんの変化もありませんでした。

 

つまり、どんな音楽が効果があるのかは、その人によって変わるのだと思います。その人固有の振動域、共鳴する周波数などの個人差によるのではないかと思っています。

 

なので、音楽による感覚の鋭敏化をはかりたい方は最初は能力開発用の音楽から探してみると良いかと思いますが、それ以外がダメなわけではありませし、普通の歌謡曲や自然の音源からでも自分の合うものがみつかるかもしれません。

 

それは、実際に探してみるしかありません。

 

注意点としては、必ず高音質で聞くこと。

 

ある程度の高性能のスピーカー、ヘッドフォンなどを使用し、高音質で録音されたものを聞くことです。

 

でないと効果は得られません。

 

追記 真言と気滞

気を感知するコツについて書いてきました。

 

1つは最も感覚が鋭敏な指先を鍛えること、もう一つは振動(音楽、音)との共鳴、これは聞くだけではなくて自身が唱えるマントラ(真言)なども同類ですね。

 

そしてもう一つは、今回のテーマになりますが、それは重力との調和だと思っております。

 

重力は最も身近な「自然の働き」です。それに抗するのではなく、調和することで、自然の流れとの一体感をつかみます。

 

そのためのメソッドは、これもたくさんあります。

 

ヨガや気功、座禅、静座法、広くは武術なども含まれるでしょう。

 

ちなみに私は韓氏意拳の考え方を参考にしましたし、もっとも多く練習したのが立禅と肥田式強健術です。

 

これも音楽と同じく、それぞれに合ったやり方で良いと思います。

 

まったくなにもやった事がないという方に超初級の簡単な方法を紹介します。

 

まず床に大の字で寝てみて下さい。

 

そして右足、左足、右手、左手・・・首、頭と、順番に意識を移しながら力を抜いていきます。

 

で、最初に戻ると、不思議なことに力が入っていたりします。寝た状態でも全身を完全に脱力することって、案外難しかったりするんですね。

 

寝た状態なのだから重力に抗する必要はないはずなんです。

 

だから簡単に脱力できるはずなんですが、意識すればするほど、重力に抗する癖がでて、力が入ったりします。

 

フローリングの上で大の字に寝ても、脱力ができていれば、どもこ痛くならずに熟睡できるようになりますよ。

 

やってみてください。

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古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

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潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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