さて、私が気流診修得に姿勢や脱力を重視しているのはご存知かと思いますが、その理由は大きく2つあります。
その1つを簡単に解説します。
それは、自分の内側を細分化して観察することで、「微小な差異」に敏感になる訓練をすることです。
瞑想でも内側に向かう方法と外側に向かう方法があるようですが、その内側に向き合う方法をとっています。
※外側に向き合う方法も正規講座では紹介しています。
ただ、微小な差異を感知するといっても基準となるものが必要です。
それが重力です。
自己の身体と重力との関係性を細かく観察することで、微小な差異に敏感になり、気を感知する感覚訓練をしているのです。
なので、背筋を伸ばし、ただ良い姿勢をとればよいといった単純なものではありません。
さて、「自分の内側を細分化して観察することで、微小な差異に敏感になる」という練習方法は野口体操からヒントを得ています。
古来、多くの技芸ではこの自分の内側と向き合うということを重要な練習方法として位置付けていました。
武術しかり、芸事しかり、です。
そして、自分の内側の感覚が磨かれ、鋭くなればなるほど、相手の微小な差異にも敏感になっていきます。
そこまでくると望診に繋がっていくのだと思っています。
宇城憲治氏という空手の達人
宇城憲治氏という沖縄空手を伝承されている空手の師範がおられます。
その方の著書に「気と重力」というのがありまして、そこでは気功の気は、物理の重力であり、武道での「間」を司ると書かれています。
著書のレビューには重力と気は違うだろう?という意見も多く書き込まれているみたいですが、私はこの重力(引力)の働きは最も身近な自然の力であり、気の具現化した動きであることには同意見です。
そもそも、重力とはなんなのか?、どうして重力が発生するのかすら、科学でも完全に解明されているわけではないみたいですよね。
重力もまた、不可思議な自然の働きであり、解明されていはいないが、確かにそこに存在する「力」なんです。
実際に引力と身体との関係を重視される整体の先生は多く、それをもって一流派を名乗られているかたもおられるくらいです。
では気流診ではどうしているのか、と言いますと重力が最もかかった状態、立位での望診を基本としています。また最も重力から解放された状態、寝た状態での望診との比較をすることで、どの気滞がもっとも重要かを判別しています。
正規受講者の方には動画の中で解説しているとおりです。
単純に筋緊張だけをみていても寝た状態で緊張がとれていても立位では緊張が現れるということもあります。
立位で良好な状態が保てるようになることが一つの目安でもあります。
補足です
補足を少し。
ただ、重力の正体って、じつは解明されてはいないんですよね。
重力は引力と遠心力の合力だと習いましたが、そもそも重力が存在するのは物質に質量があるからで、質量があるのはヒッグス粒子とよばれる粒子が存在するからだとされています。
ではどうしてそんな粒子があるのかといえば、わかっていませんし、重力がなぜ存在するのかもわかっていないのです。
さらには、重力の働きも分かってはいますが、完全には解明されてはいません。
この世界(宇宙)が持っている性質の一つとしか言いようがないそうですね。
重力=気かと言われると、そこまでは言いきれませんが、私は気の働きの1つであろうとは思っています。
そもそも「気」とはなにか?
現時点ではその定義も共通のものはありません。
東洋医学、気功、武道でいう気など、気というキーワードを使用する技芸はさまざまありますが、同一流派内、各個人でもそれぞれ見解がわかれています。
当会における「気」とは自然の法則(そのなかに重力も含みます)から形成された、生命体同士の情報ネットワークのようなもの、と考えております。
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