今回もご質問への回答です。
ですが、とっても重要な質問でしたので、全員でシェアしたいと思います。
(質問)
気滞を感知するのは胸だということですが、胸のざわつき、なんとなく胸の重苦しさを感じるのが、その感覚でしょうか?
(回答)
これは正規受講者の方への教材では動画の中で回答させていただいているのですが、一般の方からの質問です。
さて、答えから言いますが、それは違います。
胸で感知すると言いましたが、胸の感覚そのものではなくて、気滞を感じるのはあくまで、対象物(患者)の体そのものです。
これは偽反応とよく間違います。術者の体が自然体でない状態(コリや歪みがあったり、発病している場合など)には自分の体調不良を感じ取っている場合も似たような感覚がでます。
対象物との一体感は必要ですが、気滞を感じ取るのはあくまで対象物(患者)そのものです。
また、そうしないと患者の気に同調しすぎてしまいます。つまり「病気をもらってしまう」ことになりかねません。
気滞と経絡との違い
ところで、この望診で感知している気滞、胸の感覚で感知してる気滞と経絡は同じものですか?というコメントもいただいております。
当会では現時点では区別しております。
気滞はなんらかの病変が生じた結果、自然治癒力が阻害されている箇所、その部位からの情報発信です。
経絡はその気滞解消のためのルートと特異点(ツボ・経穴)です。
気滞=経穴・経絡ではありません。
経絡ってあるんですか?
すると次のような質問をいただきました。
とてもシンプルな質問で、「経絡ってあるんですか?」という一言だけでしたが、以下、回答です。
経絡はなんらかの形で存在する情報系のシステムだと考えられます。
情報系ですから、物質ではありません。ではそう言い切ってよいのか?ということですが、現時点ではそうとしか考えられません。
なんらかの物質(気)ではないのか?という先生もおられますが、そう考えると遠隔望診や、写真でも望診が可能な理屈が分からなくなります。
次に既存の経絡図ですが、これはあくまで目安だと思っています。
なんらかの病変に対してそれを解消するべく現れる経絡と経穴(反応点)の出現率の高いものを表したのが現在の経絡図、経穴図だと考えています。
ですから実際の施術においては経穴図どおりの取穴ではだめな場合もあるでしょうし、経絡に沿って鍼をする、といっても既存の経絡図に従わない場合も出てくると思います。
それから、繰り返しになりますが、経絡学説というのは、ある現象に対しての仮説です。あくまで仮説です。念のため。
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