1期生のかた(鍼灸師)からの質問です。
「足の三陰交の鍼をしたときに望診をしたら頭部に陰気滞を感じるときがあります。これはなんでしょうか。
まれに頭部以外にもでることがありますが、そのときは陽気滞だったりします。これは治療の対象となる気滞でしょうか、それとも好転反応かなにかでしょうか」
(回答)
これはあきらかに治療すべき気滞です。
これがわかるということは、相当なレベルの望診を修得されているということですね。
正直、2年でここまでわかるとは思っていませんでした。
凄いです(お世辞じゃなく)。
さて、三陰交に鍼をしたときに出現する頭部の陰気滞ですが、これは癌気滞ともいって、癌を罹患しているか、癌発病直前に現れることが多いです。
すでに癌を患っていて、治療中ということなら良いのですが、そうでないなら一度精密検査をおすすめします。
この三陰交の鍼ですが、これはその時、三陰交がその人の-(マイナス)点にあたっていなければ、そうはなりません。
そうでない場合は三陰交以外にその周辺にマイナス点を探し、そこに鍼なり、磁石のマイナスを当てて、望診をしてみると新しい陽気滞、陰気滞がでることがあります。
これを特別に陽交、陰交といいます。
どちらも治療すべき気滞なのですが、この陰交が頭部に出た場合は癌の可能性が高く、もしくは癌体質になっている場合が多いです。
なので、頭部の陰気滞はとくに注意が必要です。
気の世界である潜象界と現実世界の関係
人が五感で感じ取れる現実世界を現象界といいます。
象(かたち)が現れている世界です。
それに対して、五感では感知できない象(かたち)が潜んでいる世界を潜象界といいます。
では、潜象界とは、現象界と反対側の世界になるのか、というと実はそうではないのです。
潜象界は現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできないだけで、感覚的には現象界を包み込んでいるのが潜象界とも言えます。
潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。
ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。
唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。
この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。
潜象界からの情報はいまのところ、原初感覚を持つ者でしか感知できず、またその気の動きは言葉では表現できないために、感覚を共有することもできません。
そのデータもまた共有できないのです。
ですから、潜象界そのものが感知する者の主観でしか表現されず、それゆえにいろいろな表現方法が試されました。
その結果、摩訶不思議な世界として認識されるに至ったのですが、感知できる者にとっては確かに存在する世界なのです。
さて、そんな潜象界の世界を現実生活にどう応用するのか?
感知できない、見ることも触ることもできない世界のことなど、関係ないではないか?
いえ、そうではないのです。
潜象界での出来事は現象界と直接繋がりをもっているのです。
その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。
ですから、潜象界での出来事は決して無視してよいものではありませんし、
関係なくもありません。
むしろ、潜象界でのことを良く知り、理解しなければならないものなのです。
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