望診講座88 「三陰交と頭部の気滞について」

目安時間5分

1期生のかた(鍼灸師)からの質問です。

 

「足の三陰交の鍼をしたときに望診をしたら頭部に陰気滞を感じるときがあります。これはなんでしょうか。

まれに頭部以外にもでることがありますが、そのときは陽気滞だったりします。これは治療の対象となる気滞でしょうか、それとも好転反応かなにかでしょうか」

 

 

(回答)

これはあきらかに治療すべき気滞です。

 

これがわかるということは、相当なレベルの望診を修得されているということですね。

 

正直、2年でここまでわかるとは思っていませんでした。

 

凄いです(お世辞じゃなく)。

 

さて、三陰交に鍼をしたときに出現する頭部の陰気滞ですが、これは癌気滞ともいって、癌を罹患しているか、癌発病直前に現れることが多いです。

 

すでに癌を患っていて、治療中ということなら良いのですが、そうでないなら一度精密検査をおすすめします。

 

この三陰交の鍼ですが、これはその時、三陰交がその人の-(マイナス)点にあたっていなければ、そうはなりません。

 

そうでない場合は三陰交以外にその周辺にマイナス点を探し、そこに鍼なり、磁石のマイナスを当てて、望診をしてみると新しい陽気滞、陰気滞がでることがあります。

 

これを特別に陽交、陰交といいます。

 

どちらも治療すべき気滞なのですが、この陰交が頭部に出た場合は癌の可能性が高く、もしくは癌体質になっている場合が多いです。

 

なので、頭部の陰気滞はとくに注意が必要です。

 

気の世界である潜象界と現実世界の関係

人が五感で感じ取れる現実世界を現象界といいます。

 

象(かたち)が現れている世界です。

 

それに対して、五感では感知できない象(かたち)が潜んでいる世界を潜象界といいます。

 

 

では、潜象界とは、現象界と反対側の世界になるのか、というと実はそうではないのです。

 

潜象界は現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできないだけで、感覚的には現象界を包み込んでいるのが潜象界とも言えます。

 

 

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

 

 

ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

 

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

 

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

 

潜象界からの情報はいまのところ、原初感覚を持つ者でしか感知できず、またその気の動きは言葉では表現できないために、感覚を共有することもできません。

 

そのデータもまた共有できないのです。

 

ですから、潜象界そのものが感知する者の主観でしか表現されず、それゆえにいろいろな表現方法が試されました。

 

その結果、摩訶不思議な世界として認識されるに至ったのですが、感知できる者にとっては確かに存在する世界なのです。

 

さて、そんな潜象界の世界を現実生活にどう応用するのか?

 

感知できない、見ることも触ることもできない世界のことなど、関係ないではないか?

 

いえ、そうではないのです。

 

潜象界での出来事は現象界と直接繋がりをもっているのです。

 

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。

 

ですから、潜象界での出来事は決して無視してよいものではありませんし、

 

関係なくもありません。

 

むしろ、潜象界でのことを良く知り、理解しなければならないものなのです。

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

当会での望診で気を診る技術は再現性を重視、既存の東洋医学の理論とは一線を画すものとなっております。

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古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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