てい鍼とは鍼治療の道具で、一般的には2本の「てい鍼」の組み合わせで使用します。
1本は銅の棒です(鍼とい名称がついていますが、刺しません)。
もう1本は亜鉛でできています。
その両者のイオン差を利用して経絡を通すという治療法です。
金属の棒を皮膚にあてるだけで、刺さないので、もちろん無痛です。
ただ、2点間を結んで経絡を通すという治療ですので、治療点は必ず2穴存在しますよね。
その代表的な組み合わせが「奇経治療」の治療点です。
気滞解消のためにピタリと合えば、奇経治療はその場で劇的な効果を発揮します。
その効果の大きさから奇経治療を試す施術家も多いのですが、
気滞が分かっていないと、本当の奇経治療はできません。
いろいろな種類の「ていしん」
「ていしん」が購入できるお店を紹介
ご質問への回答2件です。
(質問1)
「ていしん」を使った練習をしたいのですが、どこで買えますか?
(回答)
探せば複数のお店があると思います(オーダーメイドも含めて)。私が購入したところは前田豊吉商店です。
URL http://www.needlemaeda.com/products%20teishin.html
値段が書いてないですが、1本3000円~4000円くらいです(銅、アルミで若干値段が違います)
両方で7000~8000円くらいでしょうか。
数万円もする高価なものもありますが、4000円程度のもので十分です。施術効果は変わりません!
(質問2)
気の流れを感知する練習のときマイナスからプラスへ向かうのはなぜですか?その逆はないのですか?
(回答)
練習ではプラス点のほうが感知しやすいため、初心の段階ではプラス点を探すことをまず練習します。
逆がないわけではありません。プラス点からそれと対になるマイナス点を探すときは、マイナス点方向に向かって手を動かします。
また、陰実の場合、もしくは熱症の場合、陰気滞が主になるとプラス点よりマイナス点を先に探すこともあります。
「ていしん」による刺さない鍼治療
「ていしん」による施術ですが、基本的に「銅のていしん」と「亜鉛のていしん」の2本をセットで使用します。
銅がプラスで陽の反応点、亜鉛がマイナスで陰の反応点にそれぞれ当てて、気を流す(イオン差を利用)ことで、一種の経絡治療をおこないます。
皮膚接触だけですので、鍼が怖い人にも使用できます。
効果は鍼ほどダイレクトではありませんが、そこが逆に良いところで、その治療点が正しいかどうかのテスターとしても使えます。
もちろん、「ていしん」だけで施術しておられる先生もいますから、効き方は鍼よりマイルドですが、主力施術としても使えます。
以前、有川先生の勉強会で同席させていただいた古川正明先生(サポートの先生のお1人、福岡市で開業)は、この「ていしん」の達人です(後日、あらためて紹介させていただきます)。
施術道具が二本の金属の棒(長さは7センチ程度)ですから、持ち歩いて、いつでもどこでも施術可能という便利性もあります。
この「ていしん」は治療家の手を修得する練習方法としても重要、
整体における施術点、矯正点を見つける上でも重要(のちのち、整体技法とも関わってきます)、
練習だけでなく、ていしん主体の施術もできる、まさに万能の施術技法といっても良いでしょう。
ですから、ぜひ「ていしん」を取り入れていただきたいと思い、今回の講習会の練習内容に加えることにしました。
また、「ていしん」は奇経治療にも多用されています。
奇経治療とは経絡治療の一種ですが、症状によって組み合わせる経穴が決まっていますので、覚えて即実践できるというメリットがあります。
足の捻挫に申脈(銅)-後渓(亜鉛)とか、風邪に照海(銅)-列缺(亜鉛)の組み合わせのように痛む場所、症状で定型パターンでの施術となります。
私はこの奇経治療を鍼灸治療成立過程で過去の先生方が気滞調整の過程で出現率の高い経穴の組み合わせを経験則で残されたものだと理解しています。
気滞が分からないとき、施術点の特定ができなかった頃には多用していました。
もちろん望診で気滞の位置が特定できて、「治療家の手」による施術点の選定ができればなお良いのですが、それができるまでの緊急時に、また練習としても覚えておいて損はないと思います。
奇経治療のテキストも配布しますので、「ていしん」と合わせて常備しておけば、いざとうときに助けになるかもしれません。
練習会風景
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