1日で気を感知する技術を修得するメソッド
気を感知する、または関節や筋肉の歪みを感知する技術はあらゆる療術の根幹能力だと思っています。
その能力を1日で修得することも可能だと思っています。
なぜなら、気を感じる、気をみる能力はヒト本来がもっている原初感覚によるからだと思われるからです。
いままで、気感を得るにはひたすら練習するしかない、それには何年か必要と言ってきました。
それは有川先生や、そのお弟子さんたちも同じことを言われていて、またその修得方法も具体的な練習方法はなかったからです。
しかし、私自身の練習過程を振り返って、おそらくこの方法は気感の修得に有効かつ、分かりやすいだろうというものがあって、今回それを望診のための気感修得法として講習会にしようと考えました。
ですので、その効果は未知数であり、講習会名は正確には「1日で気を感知する技術を修得(できるかもしれない)講習会」となります。
もちろん、その1日以降も練習は続きますが、気感修得のためのメソッドを順番に練習、修得していきます。
その基本が気感体得のための身体操作法です。
当会推奨の10秒筋トレも、もとは望診修得のための身体操作の練習過程で生まれたものです。
いままで望診の修得方法は、黙ってみている、自分で工夫する、以外にはありませんでした。
そこで私が考えたことは、身体操作によって「気感」を高めることができるのではないかということです。
今回、実技講習会でその練習を一緒にしていただきます。
早い方でなら本当に即日修得ができると考えています。
第1段階 気感修得のための身体操作 気をみるための練習
望診修得のための身体操作の基本は脱力と重心の安定です。
誰でもで簡単にきるように1回の練習時間は約10秒、動作は日常動作のみとなっていて、複雑な動きや力の必要な動きはありません。
逆に力を抜いて、ゆっくり動くことで、身体内部感覚を養います。
アウターマッスルは脱力し緩める、インナーマッスルは再鍛錬し動く筋肉を取り戻す、その過程で体のコアをつくっていくトレーニングです。
(テキストの一部)
この身体操作の基礎は古流整体に伝承される「見の技法」がもととなっています。
第2段階 治療家の手をつくる練習 気を感じるための練習
指先はもっとも感覚の発達した部位ですから、気の感覚を練習するうえで指先の感覚訓練は必須だと思います。
その練習方法がはいろいろありますが、その一つに「ていしん」による練習があります。
「ていしん」による練習ですが、基本的に「銅のていしん」と「亜鉛のていしん」の2本をセットで使用します。
銅がプラスで陽の反応点、亜鉛がマイナスで陰の反応点にそれぞれ当てて、気を流す(イオン差を利用)ことで、一種の経絡治療をおこないます。
皮膚接触だけですので、鍼が怖い人にも使用できます。
効果は鍼ほどダイレクトではありませんが、そこが逆に良いところで、その治療点が正しいかどうかのテスターとしても使えます。
もちろん、「ていしん」だけで施術しておられる先生もいますから、効き方は鍼よりマイルドですが、主力施術としても使えます。
以前、有川先生の勉強会で同席させていただいた古川正明先生は、この「ていしん」の達人です(後日、あらためて紹介させていただきます)。
施術道具が二本の金属の棒(長さは7センチ程度)ですから、持ち歩いて、いつでもどこでも施術可能という便利性もあります。
この「ていしん」は治療家の手を修得する練習方法としても重要、
整体における施術点、矯正点を見つける上でも重要(のちのち、整体技法とも関わってきます)、
練習だけでなく、ていしん主体の施術もできる、
まさに万能の施術技法といっても良いでしょう。
ですから、ぜひ「ていしん」を取り入れていただきたいと思い、今回の講習会の練習内容に加えることにしました。
奇経治療と「ていしん」
また、「ていしん」は奇経治療にも多用されています。
奇経治療とは経絡治療の一種ですが、症状によって組み合わせる経穴が決まっていますので、覚えて即実践できるというメリットがあります。
足の捻挫に申脈(銅)-後渓(亜鉛)とか、風邪に照海(銅)-列缺(亜鉛)の組み合わせのように痛む場所、症状で定型パターンでの施術となります。
私はこの奇経治療を鍼灸治療成立過程で過去の先生方が気滞調整の過程で出現率の高い経穴の組み合わせを経験則で残されたものだと理解しています。
気滞が分からないとき、施術点の特定ができなかった頃には多用していました。
もちろん望診で気滞の位置が特定できて、「治療家の手」による施術点の選定ができればなお良いのですが、それができるまでの緊急時に、また練習としても覚えておいて損はないと思います。
奇経治療のテキストも配布しますので、「ていしん」と合わせて常備しておけば、いざとうときに思いがけない助けになります。
経絡治療をやってみたいかた、ぜひ「ていしん」の練習を取り入れてください。
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