望診講座119 「気をみる、気を感じる方法」

目安時間7分

1日で気を感知する技術を修得するメソッド

気を感知する、または関節や筋肉の歪みを感知する技術はあらゆる療術の根幹能力だと思っています。

 

その能力を1日で修得することも可能だと思っています。

 

なぜなら、気を感じる、気をみる能力はヒト本来がもっている原初感覚によるからだと思われるからです。

 

いままで、気感を得るにはひたすら練習するしかない、それには何年か必要と言ってきました。

それは有川先生や、そのお弟子さんたちも同じことを言われていて、またその修得方法も具体的な練習方法はなかったからです。

 

しかし、私自身の練習過程を振り返って、おそらくこの方法は気感の修得に有効かつ、分かりやすいだろうというものがあって、今回それを望診のための気感修得法として講習会にしようと考えました。

 

ですので、その効果は未知数であり、講習会名は正確には「1日で気を感知する技術を修得(できるかもしれない)講習会」となります。

もちろん、その1日以降も練習は続きますが、気感修得のためのメソッドを順番に練習、修得していきます。

 

その基本が気感体得のための身体操作法です。

 

当会推奨の10秒筋トレも、もとは望診修得のための身体操作の練習過程で生まれたものです。

いままで望診の修得方法は、黙ってみている、自分で工夫する、以外にはありませんでした。

 

そこで私が考えたことは、身体操作によって「気感」を高めることができるのではないかということです。

今回、実技講習会でその練習を一緒にしていただきます。

 

早い方でなら本当に即日修得ができると考えています。

第1段階 気感修得のための身体操作 気をみるための練習

 

望診修得のための身体操作の基本は脱力と重心の安定です。

 

誰でもで簡単にきるように1回の練習時間は約10秒、動作は日常動作のみとなっていて、複雑な動きや力の必要な動きはありません。

逆に力を抜いて、ゆっくり動くことで、身体内部感覚を養います。

 

アウターマッスルは脱力し緩める、インナーマッスルは再鍛錬し動く筋肉を取り戻す、その過程で体のコアをつくっていくトレーニングです。

 

 

 

(テキストの一部)

 

 

この身体操作の基礎は古流整体に伝承される「見の技法」がもととなっています。

 

第2段階 治療家の手をつくる練習 気を感じるための練習

指先はもっとも感覚の発達した部位ですから、気の感覚を練習するうえで指先の感覚訓練は必須だと思います。

その練習方法がはいろいろありますが、その一つに「ていしん」による練習があります。

 

「ていしん」による練習ですが、基本的に「銅のていしん」と「亜鉛のていしん」の2本をセットで使用します。

 

銅がプラスで陽の反応点、亜鉛がマイナスで陰の反応点にそれぞれ当てて、気を流す(イオン差を利用)ことで、一種の経絡治療をおこないます。

 

皮膚接触だけですので、鍼が怖い人にも使用できます。

 

効果は鍼ほどダイレクトではありませんが、そこが逆に良いところで、その治療点が正しいかどうかのテスターとしても使えます。

もちろん、「ていしん」だけで施術しておられる先生もいますから、効き方は鍼よりマイルドですが、主力施術としても使えます。

 

以前、有川先生の勉強会で同席させていただいた古川正明先生は、この「ていしん」の達人です(後日、あらためて紹介させていただきます)。

施術道具が二本の金属の棒(長さは7センチ程度)ですから、持ち歩いて、いつでもどこでも施術可能という便利性もあります。

 

この「ていしん」は治療家の手を修得する練習方法としても重要、

整体における施術点、矯正点を見つける上でも重要(のちのち、整体技法とも関わってきます)、

 

練習だけでなく、ていしん主体の施術もできる、

まさに万能の施術技法といっても良いでしょう。

 

ですから、ぜひ「ていしん」を取り入れていただきたいと思い、今回の講習会の練習内容に加えることにしました。

奇経治療と「ていしん」

 

 

 

また、「ていしん」は奇経治療にも多用されています。

 

奇経治療とは経絡治療の一種ですが、症状によって組み合わせる経穴が決まっていますので、覚えて即実践できるというメリットがあります。

 

足の捻挫に申脈(銅)-後渓(亜鉛)とか、風邪に照海(銅)-列缺(亜鉛)の組み合わせのように痛む場所、症状で定型パターンでの施術となります。

 

私はこの奇経治療を鍼灸治療成立過程で過去の先生方が気滞調整の過程で出現率の高い経穴の組み合わせを経験則で残されたものだと理解しています。

 

気滞が分からないとき、施術点の特定ができなかった頃には多用していました。

 

もちろん望診で気滞の位置が特定できて、「治療家の手」による施術点の選定ができればなお良いのですが、それができるまでの緊急時に、また練習としても覚えておいて損はないと思います。

 

奇経治療のテキストも配布しますので、「ていしん」と合わせて常備しておけば、いざとうときに思いがけない助けになります。

 

経絡治療をやってみたいかた、ぜひ「ていしん」の練習を取り入れてください。

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

当会での望診で気を診る技術は再現性を重視、既存の東洋医学の理論とは一線を画すものとなっております。

イメージを排除し、あくまで出来るか否か、気とは、経絡とはなにか、その正体を追求します。

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東洋医療技術研究会 代表者名

現代表 勝木れい子(石川県金沢市 鍼灸師)

技術主任講師 吉田宜正(石川県 柔道整復師)

講師 岡田 (大阪府 整体師)

講師 水根 (兵庫県 鍼灸師)

講師 西域 (奈良県 鍼灸師)

 

相談役 古川正明先生(福岡)

記事執筆・メルマガ担当 前沢

会計担当 山田

勉強会風景
古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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