時々いただく質問に、「気の感覚とは、どういった感覚なのでしょう、磁石の反発のような感覚は正しい感覚ですか」というのがあります。
さて、私たちがいう気の感覚は、そういった実感をともなったものはありません。
ただ、なにかに引かれる感覚や、磁石の反発感、ふわっとした感じ、色(オーラ)、はっきりとした形(かたまり)として感じるなにかは、間違った感覚だというつもりもありません。
ですが、純粋な気の感覚とは少し違うように思います。それらは気の周辺の夾雑物を含んだ、雑気だと考えています。
また、望診をしたときに、はっきりとした形として感知されるものは、気流診においては病巣、実体と考えています。
例えば、整体においてはっきりと感知される「なにか」は実際に筋緊張がある部位や、歪みそのものだったりします。
なので、その「なにか」を感知しなくなるまで、矯正などの施術をすることは、それはそれで有効な手段だと思います。
ではその先にある気の感覚とはなにかといいますと、ただ「ある」という感じ以外になにもないのです。
それは非常に頼りない感覚です。
でも、他の実感をともなったものと判別しているうちに、だんだんと「これか!」というのが分かってくると思います。
そうなったときに私たちの言っていることが分かっていただけると考えています。
ちなみに、実感を伴った感覚から得られる施術点(経穴)と、気滞から得られる施術点は違う場合が多いです。
追記 脈診と望診の違い
ご質問への回答です。
(質問)
経絡治療では脈診で気をうかがいます。
この方法で得られる変動経絡とその主治穴と気流診で得られる変動経絡および、治療点(反応点)は違うものですか?
(回答)
これはちょっと難しい質問です。
脈診において初心者は脈差診で判断しようとしますが、脈の強弱のみをもとに変動経絡を感知しようとするならば、それは全くの間違いです。
そもそも強弱が平らな平脈は存在しません。
つまり、強弱(脈差)はあって正常なのです。
その中で経絡の変動をうかがうことは術者の練度でその答えが変わってきます。
ちなみに経絡治療の熟達者を集めて、脈診のみで証(病名みたいなもの)を立てた場合、その一致率は30%に達しませんでした。
脈診は気の変動の現れではありますが、気の動きそのものではありません。
そこから気の動きを察知するのは至難の技なのです。
さて、気流診との一致率ですが、これも30%以下といっておきます。
つまり、まったく違うものだと言わざるを得ません。
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