いくつかご相談をいただいておりますので、整体の話題から少しそれて経営の話をいくつかしたいと思います。
私の師匠の一人に熊坂先生という柔道整復師がおられます。
整復を得意としておりましたが、ある日保険診療を止めて、一回6000円の実費診療に切り替えました。
その理由は保険診療では亜脱臼整復治療は成り立たないから、です。
確かに、亜脱臼では保険請求はできません。
それ以上にもう一つ理由があります。
亜脱臼は慢性化している例が多く、施術にも時間がかかるという理由です。
一人30分~60分くらいとられますので、多くても1日10人くらいしかできません。
なので保険診療では経営が成り立たないという理由もあってのことでした(保険では客単価は1500円くらいです)。
保険取扱いが厳しい時代だから実費に切り替えたわけではありません。
熊坂先生の時代は保険全盛期ですから、まわりからは実費で患者が集まるわけない、と言われたそうです。
ですが、実際には予約でいっぱいに。
もちろん熊坂先生にそれ相応の技術があったからでしょうが、それ以上に実費でなければならない明確な理由がありました。
つまり、目的が明確ですべてがその方向で進んでいたのです。
そこで、こちらから質問です。
「あなたのやりたいことはなんでしょうか?」
そこが明確ならば、保険診療か実費診療か迷うことはなくなると思います。
また開業場所にも迷うことが無くなります。
スポーツ外傷が専門ならスポーツ選手が集まるところへ!
高齢者医療が専門なら無医村のド田舎へ(これは極端化か・笑)
そして、集客にも迷いが無くなりますよ。
自分の専門、方向性はこれですよって情報発信すればいいんですからね。
進んでいく方向性を明確にすること、それが安定経営への第1歩だと私は思います。
オリジナルブランドをつくろう!
ところで、最近のテレビコマーシャルで「信頼の日本製!」というフレーズを聞くと、以前は誇らしかったのですが、
いまはなんだか虚しさを感じるのは私だけでしょうか。
日本製が信頼できる製品になったのっていつ頃からなんでしょうか?
日本ブランドって、いまも続いてますか?
バックトゥザフューチャーという映画をご存知でしょうか。
主人公のマイケルJフォックスが過去や未来に行って冒険するお話ですが、過去に言ったときに、過去の時代の博士とこんな会話をしています。
昔の時代の博士「日本製なんか使うから壊れるんだ!」
現代から来たマイケル「日本製はすごく性能いいんだよ」
博士「そうなの?」
ほんの50年前の日本製は決して信頼のブランドではなかったんですよね。
その話をリアルに聞いたことがあります。
私の小学校時代の教師の、さらに昔話ですから、いうまから50年ほど前のことになるのでしょう。
その先生のアメリカの友人におみやげとして日本製のラジオを贈ったのだそうですが、1か月もたたないうちに壊れてしまったのです。
それで、とても恥ずかしかったと言われていました。
日本製が優秀になったのは最近の話なんですよ。
それと同じで、途上国の製品もどんどん性能があがってきていますから、○○国製だから信頼できないよ、なんてセリフはもう言えなくなる時代になってきています。
時代は変わり、それにつれて制度も変わります。
話は変わりますが、ここ10年の動きをみても、法改正、制度の改変は医療の分野でも激しく行われています。
保険制度が厳しくなっているのは柔整、鍼灸だけではありません。
医師や薬剤師でも同じなんです。
40~50年前とは別世界、ここ10年だけをみても大きな変革。
では、さらに10年後は?さらに20年後は?
もう1~2年で廃業するっていう先生はあまり関係ないかもしれません。
でもあと10年、20年治療院を継続しようっていう先生は自らも変革しないと生き残れない時代がきます。
そのために必要なことは「オリジナルブランド」の確立です。
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