個人治療院の経営戦略14 「経営には方向性が必要」

目安時間6分

いくつかご相談をいただいておりますので、整体の話題から少しそれて経営の話をいくつかしたいと思います。

 

私の師匠の一人に熊坂先生という柔道整復師がおられます。

 

整復を得意としておりましたが、ある日保険診療を止めて、一回6000円の実費診療に切り替えました。

 

その理由は保険診療では亜脱臼整復治療は成り立たないから、です。

 

確かに、亜脱臼では保険請求はできません。

 

それ以上にもう一つ理由があります。

 

亜脱臼は慢性化している例が多く、施術にも時間がかかるという理由です。

 

一人30分~60分くらいとられますので、多くても1日10人くらいしかできません。

 

なので保険診療では経営が成り立たないという理由もあってのことでした(保険では客単価は1500円くらいです)。

 

保険取扱いが厳しい時代だから実費に切り替えたわけではありません。

 

熊坂先生の時代は保険全盛期ですから、まわりからは実費で患者が集まるわけない、と言われたそうです。

 

ですが、実際には予約でいっぱいに。

 

もちろん熊坂先生にそれ相応の技術があったからでしょうが、それ以上に実費でなければならない明確な理由がありました。

 

つまり、目的が明確ですべてがその方向で進んでいたのです。

 

そこで、こちらから質問です。

 

「あなたのやりたいことはなんでしょうか?」

 

そこが明確ならば、保険診療か実費診療か迷うことはなくなると思います。

 

また開業場所にも迷うことが無くなります。

 

スポーツ外傷が専門ならスポーツ選手が集まるところへ!

 

高齢者医療が専門なら無医村のド田舎へ(これは極端化か・笑)

 

そして、集客にも迷いが無くなりますよ。

 

自分の専門、方向性はこれですよって情報発信すればいいんですからね。

 

進んでいく方向性を明確にすること、それが安定経営への第1歩だと私は思います。

 

オリジナルブランドをつくろう!

ところで、最近のテレビコマーシャルで「信頼の日本製!」というフレーズを聞くと、以前は誇らしかったのですが、

いまはなんだか虚しさを感じるのは私だけでしょうか。

 

日本製が信頼できる製品になったのっていつ頃からなんでしょうか?

 

日本ブランドって、いまも続いてますか?

 

 

バックトゥザフューチャーという映画をご存知でしょうか。

 

主人公のマイケルJフォックスが過去や未来に行って冒険するお話ですが、過去に言ったときに、過去の時代の博士とこんな会話をしています。

 

昔の時代の博士「日本製なんか使うから壊れるんだ!」

 

現代から来たマイケル「日本製はすごく性能いいんだよ」

 

博士「そうなの?」

 

ほんの50年前の日本製は決して信頼のブランドではなかったんですよね。

 

 

その話をリアルに聞いたことがあります。

 

私の小学校時代の教師の、さらに昔話ですから、いうまから50年ほど前のことになるのでしょう。

 

その先生のアメリカの友人におみやげとして日本製のラジオを贈ったのだそうですが、1か月もたたないうちに壊れてしまったのです。

 

それで、とても恥ずかしかったと言われていました。

 

日本製が優秀になったのは最近の話なんですよ。

 

それと同じで、途上国の製品もどんどん性能があがってきていますから、○○国製だから信頼できないよ、なんてセリフはもう言えなくなる時代になってきています。

 

時代は変わり、それにつれて制度も変わります。

 

話は変わりますが、ここ10年の動きをみても、法改正、制度の改変は医療の分野でも激しく行われています。

 

保険制度が厳しくなっているのは柔整、鍼灸だけではありません。

 

医師や薬剤師でも同じなんです。

 

40~50年前とは別世界、ここ10年だけをみても大きな変革。

 

では、さらに10年後は?さらに20年後は?

 

もう1~2年で廃業するっていう先生はあまり関係ないかもしれません。

 

でもあと10年、20年治療院を継続しようっていう先生は自らも変革しないと生き残れない時代がきます。

 

そのために必要なことは「オリジナルブランド」の確立です。

 

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当ブログの「望診」について

東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

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講師 岡田 (大阪府 整体師)

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古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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