個人治療院の経営戦略20 「整体師になるには2」

目安時間8分

ご承知のとおり、柔道整復師の業務は脱臼、捻挫、打撲などの外傷に限られます。

 

その業務は40~50年前当時、整形外科がほとんどなかった頃には整骨院の業務でした。

 

若いかたはご存じないでしょうが、昔の整骨院はレントゲン検査もできたんです。

 

完全に整形外科の領域ですよね!

いまはその業務は整形外科医に完全に奪われています。

 

つまり、もう30年も前から整骨院の存在意義は薄れていく一方だったのです。

 

ですが、いまも、それから今後もおそらく整形外科医が参入してこれないであろうと思われる柔道整復師、整体師の業務が一つだけ残されています。

 

それが亜脱臼の整復です。

 

ある程度の怪我や長年の加重労働で少なからず発生する亜脱臼ですが、その整復だけは、整形外科医が参入しにくい分野なのです。

 

それはなぜか。

 

正常なら3か月で治癒するはず

関節の痛みの話を少しだけさせていただきます。

 

関節の痛み、筋肉の痛みは通常3か月程度で自然治癒し、痛み自体は無くなるのが通常です。

だから、どんな激しい痛み(例えば椎間板ヘルニア)でも、すぐ手術とはせず、3か月は様子をみましょうという医師が多いのです。

 

ただしそれは自然治癒力が正常に機能していた場合。

 

3か月を経過しても痛みがある場合、それは慢性疼痛と呼ばれ、通常の損傷とは違うなんらかの原因が続いているのです。

 

​そして、その原因の多くは亜脱臼という微小な関節のズレによると言われています。

 

また、その亜脱臼も痛みのある場所だけでなく、別な関節にもあってそれが関連しているケースもあります(ここ重要です!)

 

ですから、痛みはその関節だけを診ていても良くならない、とくに慢性疼痛に移行している場合は。

 

そして、この慢性疼痛に関しては整形外科での治療は「痛み止めとシップ、そして理学療法」というお決まりのコースしか用意されていません。

 

それは保険点数の事情や、亜脱臼自体はレントゲンにもMRIにも写らないといういくつかの理由があります。

 

またその整復にはある程度時間を取られるといった理由もあります。

 

ですから、整形外科医はこの分野には参入せず、理療に任せているのです。

 

当塾では、亜脱臼整復という分野だけは整体師、柔道整復師に残された最後の聖域であると考えます。

 

まず、整体師とは

整体師とは、関節や筋肉の矯正をすることで人を健康へ導く人のことなんですが、いろいろなスクールで「整体師の資格を取得」できます!と宣伝していますよね。

 

でも、整体師にいわゆる「資格」はありません。

 

完全に民間資格です。

 

つまり、そのスクールが勝手に発行している免状であって、なんの効力もありません。

 

ですから、整体師のレベルもピンキリだし、収入もピンキリです。

 

これが柔道整復師、鍼灸師、あんまマッサージ師の国家資格をもっていれば病院や介護施設などへの就職もアリです。

 

そして、所有資格も考慮されます。

 

でも、整体師は国家資格でもなんでもないので、スクールでもらった免状を見せても笑われるだけですからね、「何ですか、それ?」って感じです。

 

なので、就職先はほぼ、ありません。

 

チェーン展開している整体、りらく系のお店なら時給1000円~1500円くらいで雇ってもらえるかもしれませんが、サラリーマンとしての一般的な時給は2000円、ある程度勤めた方なら3000円、役職がつくと3500円~4000円くらいはもらえますので、時給1000円台はやはりアルバイト、パートレベルでしかありません。

 

では、開業している整体師はどうなんでしょうか?

 

整体師の厳しい現実をみますか?

開業すれば施術料金は自分で好きなように設定できます。

 

5000円でも、5万円でもかまいません。

 

1人50000円で、1日10人診れば日給50万です(笑)

 

でも、あまり現実的な数字ではありませんよね。

 

ちなみに全国平均は3600円だそうです。

 

私の知っている先生の例をあげます。

 

東京の恵比寿で開業されている先生は40分の施術で8000円です。

 

金沢で開業されている先生は1時間の施術で5000円です。

 

効率は恵比寿の先生のほうがいいですよね、1日8人みれば64000円ですからね。

 

でも1人で施術するわけですから1日8人は単純に8時間労働です。

 

つまり、めいっぱい、効率よく予約が入ってその収益です。

 

実際に開業されている先生ならお分かりだと思いますが、1時間ごとに予約が順序良く埋まるなんてことは普通ありません。

 

たいていある時間帯に集中したりとか、ある日に集中したりとかしますからね。

 

その治療院の最大許容人数の8~7掛けくらいが実際の来院患者数とするのが通常だと言われています。

 

とするならば、1日8~10人までが限界なら実際には6~7人ってことです。

 

6人×全国平均施術料(3600円)×営業日(20日)=475200円

 

そこから必要経費(税金含む)を差し引くと20万。

 

これが現実ですからね。

 

ただし、それは普通の整体院を開業した場合の話。

 

和伝整体のメソッドは少々違います。

 

どう違うのか?それは次回に(笑)

 

メルマガの中で詳細解説させていただいております。よければメルマガも合わせてお読みください

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東洋医学というと、陰陽五行論をはじめ、気とか自然とか、観念論ばかりが目立ちます。

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古代の望診法とは

古代に存在した「望診法」はダイレクトに気と経絡を見る技術だったのではないかと考えています。

3000年以上前の診察法の言葉に「望んで知る、これ神」という言葉があります。

この言葉は現代では、見ただけで診断ができるのは神様のようなものだ、という意味に解釈されています。

しかし、この言葉がつくられた(約3000年前)当時の「神」という漢字の意味は現代のような神様仏様のような意味ではなく、

神=自然(の気の流れ)という意味であったのです。

つまり、「望んで知る、これ神」の意味は、まず望診で気の流れを見ましょう、という意味であったのだと思います。

ですから、望診は診察手順の第1にくるのです。

四診合算という言葉があります。

望診、聞診、問診、切診の総合評価で証決定をしましょうという意味にとられています。

ですが、古代の望診のあり方を考えると、四診合算ではなくて、四診はその手順どおりに並んでいるだけです。

最初に望診で気の流れを把握しましょう、次に聞きましょう(聞診)、問いましょう(問診)、切(触診)してみましょう、と続いていくのす。

診察の手順としてまず望診ありきで、ここで患者の体のバランスが自然な状態(元の健康な状態)からどれくらい逸脱していて、どこに異常があり、どこが治療のポイントかを把握してしまいましょう、とうのが望診なのです。

ですから、望診というのは、神業だという意味ではなく、通常の診察手段として、最初に来るべきものなのだと考えております。

潜象界について

潜象界とは、現象界の対義語(造語)ですが、現象界は人がその五感で感じ取れる実体の世界のことです。それに対して、現象界とまったく同時に同じ空間に存在しながらも、五感では感じ取ることのできない世界を潜象界と言います。

潜象界はいわゆる「気の世界」であるとも言われています。

その潜象界からの情報は現象界で起こっている事象に先駆けて動き、その潜象界の動きが具現化されて、現象界で実体としての動きに繋がっているとされています。ただ、いまのところすべてが仮説であり、それを数値化、もしくは映像化して確認する方法がありません。

唯一、確認する方法があるとしたら、それは人本来がもっている原初感覚を呼び覚ますこと。

この原初感覚は気を実感として感知することが可能で、その原初感覚をもってすれば、潜象界での気の動きを捉えることができるからです。

その原初感覚を使った望診法が当ブログでいう「古伝の望診」なのです。

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