かつて、ある経絡治療の学術団体を代表する経絡治療家が往診を頼まれたそうです。
手が痛くて動かないから何とかして欲しいという依頼だったのですが、
診察後、その経絡治療家はおもむろに、患者の前腕を握り静圧を加えた。
パキッという整復音ののち痛みが激減し、さらに経絡治療を施し、患者の苦痛を回復させたという話です。
これって、立派な整体ですよね。
経絡治療家といえども経絡の変動がなければ、まず最も有効な手段をもちいて患者の苦痛を取るべきでしょう。
だって、鍼灸という施術は万能ではないのですから。
「私は経絡治療家だから揉まない(マッサージしない)」と言い切る鍼灸師の方がいらっしゃるがバカじゃないかと思うし、そもそもマッサージ師の方に失礼じゃないですか?
あくまで経絡治療にこだわるのは勝手ですけど、苦痛を耐えるのは患者である。へんなこだわりのために、患者の苦痛を長引かせてはならないんじゃないでしょうか。
すべての病変が経絡変動を伴うわけではない。
経絡の変動のない症例も少なからずある。
従って、まず鍼灸(経絡)治療の適応か否かの判別が必要となるはず。
もちろん、整体も同じです!
整体の適応でない場合、その症状に適切な処置を判断しなければならない。
その対処法の1つとして経絡を考える整体技法は重要な選択肢であり、優れた武器となる。
マッサージで固まった筋肉・軟部組織を緩めても、あとひと押し足りないことがある。
それは関節の歪み(亜脱臼)調整。
紙一重の差で効果がまるで違うことがあるのです。
経絡治療と整体
らくっと整体は経絡や気の流れを重視する整体技法です。
その関係で、経絡治療というものに一言。
経絡治療家は鍼灸、指圧などその施術方法にかかわらず、経絡絶対信仰者を多くみかけます。
つまり、すべての病変は経絡の変動によるものだと言っている。
経絡治療家の症例検討ではお題目のように「証はなに?」というセリフが飛び交う。
証(しょう)とは経絡変動からみた診断名のこと。
しかし、すべての病変が経絡の変動が主原因かというと私は違うと思う。
経絡治療は唯一絶対の治療法などではない。
経絡治療の適応か否か、まずそれを見極めなければならないと思う。
であるから、当塾では体の歪み、筋肉の動作不良、または亜脱臼を施術の対象としているが、経絡の変動を伴うかどうかで施術の内容が変わる。
経絡変動を伴う場合はまず、変動(=異常)のある経絡を調整する。
そのほうが、予後が良好であるからです。
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