患者さんの「おかげさまで、よくなりました」は案外あてにならない・・・と思うことがあります。
自分がこんな経験をしたからだと思います。
自分が他の治療院で施術してもらっていた時、
その先生の手技が、ちょっと自分に合わなくて帰りたくなってしまったのです。
で、「おかげさまで、よくなりました。もうあまり痛くないです」と言ってしまいました。
このとき思いました。
「痛くないです」と「居たくないです」は同義語だ!(笑)
いやいや、自分の治療院だったら笑えませんよね。
それはどんな時かというと、たぶん可もなく不可もないとき。
もしくは・・・治療内容が辛くて早く終わって欲しい、もしくはもう帰りたいとき。
あなたにも経験あると思うのですが・・・。
ふらっと入ったリラクゼーション系のほぐしどころ、あまりの下手さに、もう時間の無駄だと思ったとき、
帰りたくなったでしょう?
だから、その患者さんの「よくなりました」は真実かどうか、
よく考えてみましょう。
患者さんが自分の施術を気に入ってくれた時、もしくは信頼してくれたときは、施術後はこんな感じになると思うんです。
立って体を動かし施術前と施術後を比べてみる、そしてチェックした結果をまず知らせてくれる。
もう少し改善できるなら、して欲しいと訴える。
とにかく積極的です。
本来、高いお金を払ってきているのだし、真剣に自分の体に向き合っているのなら、そうでなくてはいけないのではないでしょうか。
患者さんの嘘はもう一つあります。
めんどくさい時、この治療院で説明してもたぶんダメだろうと思う時、本当は他にも症状があるのに、黙っていることです。
よくよく聞いてみると、真実が見えてきます。
主訴である膝痛(仮に)の他にも頭痛や内科疾患を抱えていたりしても、
関係ないという思い込みから、それを話てくれない。
施術する側にとっては、膝痛と関係ないことなどないのですが・・。
同じ体の中で起こっている事なら、なんらかの関連はあるはずでしょう?
患者さんは嘘をつく。
それはめんどくさい時と、
もう一つは早く帰りたくなった時だ(映画「新参者」の阿部寛さん風に)・・・笑
いや、笑えないですよね。
嘘ではないが・・・
上記記述にも関連するのですが、患者は現時点での症状に関係ないと判断したらそれを言わない、または自身も忘れている、ということが多々あります。
最近あった実症例で言えば、頭痛を訴えてきた患者さんのことですが、その方は肩こりが主たる原因だと思い、仕事が忙しかったので・・・としきりに言われていました。
ところが、頭痛の起きている側が首から腰まで筋肉の緊張が強い。さらには体の傾きもある。
これはもともとの状態だろうか、それとも一時的なものだろうか、という視点から見ると、体質や癖に由来するものには見えず、最近一時的なコリに見えました。
そこで、普段の仕事の状態から最近痛めた箇所まで詳しく聞くと、反対側の足関節捻挫の既往があったのです。
その痛めた足首をかばうために反対側の腰から首にかけての筋肉の緊張が普段より強くでていたのです。
さらに言うなら足関節捻挫は完治していませんでした。
微小な亜脱臼が治っていなかったのです。
そこで体の状態の説明をしたうえで、足首の矯正からの施術となりました。
ほかにも内臓疾患を抱えていた場合、腰痛や頭痛とは関係ないと思い言わないかた、鬱や不眠で薬を長期服用していても言わない方など、さまざまです。
そういった情報を聞き取るのも術者の能力ではないでしょうか。
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